年末年始・新生活時期に注目したい「FMV LIFEBOOK CHシリーズ」と「FMV LIFEBOOK THシリーズ」

テレワーク需要の拡大や教育のデジタル化でPC市場が大きな変革期を迎えている。そんななか、国内市場で大きな支持を集める富士通クライアントコンピューティング(以下、FCCL)のFMVは「人を想うモノづくり」という従来のコンセプトはそのままに、トレンドを反映した最新モデルの開発に取り組んでいる。今回はWindows 11に対応した13.3型モバイルノートPC「FMV LIFEBOOK CHシリーズ」と15.6型のスタンダードノートPC「FMV LIFEBOOK THシリーズ」に焦点を当て、具体的にどのような進化を遂げているのかを紹介したい。

 

自分時間を大切にしたい人向けのモバイルノート

FMV LIFEBOOKのラインアップには、世界最軽量を誇る13.3型モバイルノートPCのUHシリーズがあるが、同じ13.3型でもCHシリーズは学生や新社会人といった若い世代をメインターゲットに、「自分時間」が楽しめる機能と価格のバランスを重視した製品となっている。

CHシリーズの店頭モデルは、基本性能やディスプレイ、本体カラーの違いなどで「CH90/F3」「CH75/F3」「CH55/F3」の3モデルを揃えている。OSはいずれも最新のWindows 11 Home 64ビット版で「Office Home & Business 2021(個人向け)」をプリインストールしている。

CH90/F3はCPUがインテル Core i5-1135G7プロセッサー(4.20GHz)、メモリが8GB、ストレージがSSD 約512GB(PCIe)、有機ELディスプレイを採用。CH75/F3はCPUがインテル Core i5-1135G7プロセッサー(4.20GHz)、メモリが8GB、ストレージがSSD 約256GB(PCIe)、IGZOのスーパーファイン液晶を搭載。CH55/F3はCPUがインテル Core i3-1115G4プロセッサー(4.10GHz)、メモリが8GB、ストレージがSSD 約256GB(PCIe)、IGZOのスーパーファイン液晶を搭載する。

意外とない! 画面を家庭用ゲーム機のモニターにできるノートPC

CHシリーズでは、人を想うモノづくりに沿って、以下の四つの体験価値を提供している。

(1)なめらかで美しい映像体験

(2)HDMI IN/OUT搭載

(3)所有感を満たすデザイン

(4)スマートフォン連携

まず、一つめの体験価値は、臨場感のある動画視聴が楽しめること。上位モデルのCH90/F3は、ディスプレイパネルにハイコントラストが得意な有機ELを採用している。画面解像度は1920×1080ドット。400cdの高輝度に対応し、高色純度、広視野角、高速応答の四拍子が揃っており、映画やゲームの映像を美麗かつビビッドに再現する。

特に応答性の高さは画面が目まぐるしく変化するゲームにおいて威力を発揮。プレイの楽しみを何倍も膨らませてくれる。下位モデルのCH75/F3とCH55/F3では、省電力性に優れるIGZO液晶となる。こちらも400cdの高輝度で、明るく見やすい映像が楽しめる。

二つめの体験価値は、本体側面のHDMI IN/OUT端子による、アクティビティ体験だ。HDMIケーブルを挿し込んで、ファンクションキーでINとOUTのどちらの用途にも切り替えて利用できる。これは国内の13.3型以下のモバイルノートPCでは他社を含めて他にない特徴となっている。

CHシリーズの画面をテレビに映し出したいときは、HDMI OUTでテレビと接続する。ネット動画を家族や友人と視聴したり、複数人と一緒にオンライン会議に参加したり、仕事の資料を広い画面で確認したいときも重宝する。

一方、Nintendo SwitchやPlayStation 5といった家庭用ゲーム機とHDMI INで接続すれば、CHシリーズの画面でゲームプレイが可能だ。個室にテレビがなく、リビングのテレビが使えないときでも、個室でゲームに熱中できる。

HDMI出力端子を備えたビデオカメラとつなげば、カメラ内の映像をPCからダイレクトに参照できる。USB Type-C端子を持つスマートフォンなら、Type-C - HDMI変換ケーブルを使って、スマホで再生した動画をCHシリーズの画面で視聴することができる。デジタルデバイスとの連携によるアクティビティ体験に強いことは、インドアの楽しみを重視するイエナカ世代にとって大きな魅力だろう。

本体カラーにアースカラーを採用、全体をワントーンで統一

三つめの体験価値は、所有感を満たす洗練されたデザイン。従来のPCでは、他社の製品も含めてあまり見かけない渋くて深いアースカラーを採用する。CH90/F3がカーキとダークシルバーの2色、CH75/F3がモカブラウンとベージュゴールドの2色、CH55/F3はモカブラウンの1色展開となっている。店頭ではベージュゴールドとモカブラウンが女性ユーザーに人気だそうだ。

昨今の若い世代にはパキッとした原色や蛍光色よりも、木や草、土、石、砂を想起させる落ち着いた色合いがうけている。インテリアやファッションに合わせやすいので、男女のどちらが持っても自分のお気に入りの家具や服によく馴染む。CHシリーズは派手さのない分、日常に溶け込んで愛着を抱ける、大人っぽい道具になっているのだ。

本体カラーは天板だけでなくディスプレイの周囲やキーボード面も統一し、360度どこから見ても美しいデザインに仕上がっている。有機ELを活かす狭額縁やひらがなの刻印をなくしたキートップなど、まさに隅から隅まで飽きがこない作り込みだ。

本体素材にはアルミニウムとマグネシウムを組み合わせることで、CH75/F3とCH55/F3では重量を約988gと、1kg未満に抑えている。アルミは比較的重たい金属なので、昨今のモバイルPCにはあまり用いられないが、アルミの高級感と堅牢性を重視し、薄型化の難しい鍛造と切削(せっさく)にも挑戦して軽量性を実現した。

スマホのカメラがPC用のWebカメラに! 若者に刺さる連携機能

最後の四つめの体験価値は、スマホとPC間のストレスフリーな連携だ。若者の大部分はデジタルツールの中心がスマホになっている。40代や50代ならPCでしかできない作業まで、スマホで難なくこなす。そんな世代にとって使いやすいPCとは、スマホと競合する存在ではなく、普段使いのスマホをより便利に活用する存在であるはずだ。

CHシリーズは2020年冬モデルから「スマホデータ転送」「スマホ音楽再生」機能を搭載。そして、2021年モデルから新たに「スマホカメラ転送」機能に対応した。スマホカメラ転送は、スマホのカメラをPC上からアシスタントカメラとして使う機能だ。つまりスマホのカメラが、PCのWebカメラになるのだ。これにより、PC内蔵のWebカメラでは撮影しづらかった手元撮影や少し離れた場所の撮影、隠れた位置の撮影も容易になる。

設定は簡単で、スマホにカメラ転送用の専用アプリを導入し、PCのアプリを起動したときに表示されるQRコードをスマホのカメラで読み取ればよい。あとは同じWi-Fiルータの管理下にPCとスマホがあれば、PC上からスマホがWebカメラとして認識される仕組みだ。スマホのカメラのリアとフロントの切り替えもPC上から行える。

家の中で気ままに持ち歩いて使う、新機軸のスタンダードノートPC

FMV LIFEBOOK THシリーズは、2020年冬から登場した新しいラインアップだ。約18.4mmのスリムな薄さでありながら、15.6型の大画面を装備。新社会人から40代までを広くターゲットにした、イエナカでサッと使えるスタンダードノートだ。

THシリーズの店頭モデルは、TH90/F3の1モデルのみ。Windows 11 Home 64ビット版を搭載し、「Office Home & Business 2021(個人向け)」もプリインストール。CPUはインテル Core i7-1165G7プロセッサー(4.70GHz)、メモリは16GB、ストレージはSSD 約512GB(PCIe)、ディスプレイはIGZOのスーパーファイン液晶となっている。本体カラーがインディゴブルーとアイボリーホワイトの2色展開だ。

FMV LIFEBOOKには、AHシリーズという別の15.6型のラインが以前から存在する。AHシリーズは光学式ドライブを内蔵し、高性能なだけに本体の厚みや重量もそれなりにあるモデルだ。昨今、テレワークやオンライン授業が普及し、イエナカ向けでAHシリーズと同じ画面サイズながら、もっと軽量で取り回しやすいPCを求める声が高まり、そこに向けて用意されたのがTHシリーズというわけだ。

このため、THシリーズはモバイルPCに引けを取らない薄型軽量化に取り組み、厚みは18.4mm、重量は約1.39kgを実現した。イエナカマシンとしてはかなりの軽量であり、15.6型としては国内ブランドで最軽量。リビング、個室、寝室など、場所を選ばず、屋内のどこへでも気軽に持ち運んで仕事や趣味に利用できるマシンになっている。バッテリ駆動時間は連続約15.6時間なので、ケーブルいらずで長時間作業ができ、テレワークやオンライン学習にも向いている。

ファブリックな質感のクロステクスチャーによる表面加工

デザインへのこだわりは、THシリーズもCHシリーズに引けを取らない。CHシリーズのアースカラーのようなカラーリングとは異なり、THシリーズでは本体表面に「クロステクスチャー」と呼ばれる特殊加工を施した。クロステクスチャーは、見た目だけでなく表面の質感や形状まで、本物の布や織物らしさ(ファブリック)を醸し出す転写技術だ。

FCCLの開発陣によれば、クロステクスチャーを採用したのは、女性の意見がきっかけだと言う。同社のユーザー調査で、「最近のPC(従来モデル)はメカメカしく、置きっぱなしにはしたいものの見えるところに置きたくない」という女性ユーザーの声の多いことが判明した。

人を想うモノづくりのためには、見えるところに置きたくなる製品に挑戦するしかない。さまざまな検討の中から、「ファブリックに見せれば、持っていることでテンションが上がる、見えるところに置きたい製品になるのではないか」というアイデアが浮かび上がった。

当初は本物の布を用いることまで考えていたものの、汚れたときに目立ってしまい、汚れも落としにくいことから別の方法を模索。デザイナーと技術部で喧々諤々を繰り返し、クロステクスチャーに辿り着いた。

クロステクスチャーは、デジタルファブリックやOMR(アウトモールドリリース)とも呼ばれ、フィルムに付いているインクを製品に転写して蒸着する。これにより、まるで本物の布のような見た目と手触りを再現した。さらに表面にはUV加工を施し、汚れが付きにくく、たとえ汚れても簡単に拭き取れる製品が誕生した。

開発時は先にデザイナーが柄を作り、それに合わせて微細な凹凸やピッチを付け、柄と手触りのマッチングを何度も試行錯誤して、ちょうど良い感触に仕上げたという。凹凸は深くなりすぎると汚れが取りづらくなるため、機能性とのバランスが難しかったそうだ。

TH90/F3の本体を細かいところまでよく見ていくと、天面やディスプレイの周囲だけでなく、キーボードの周辺やキーキャップ、本体側面にまで丁寧に転写しており、従来のPCにありがちなツルッとした表面とはまったく違う印象を受ける。

このほか、THシリーズでは、2020年モデルからの変更点として、本体を差し込むだけで充電できる専用スタンドが、標準添付から別売に変更になっている。本体を閉じた状態でも、USB Type-Cをつなぐことで、充電しながらHDMI端子から外部モニターにPCの画面を映し出せるスグレモノだ。

ラインアップごとに深く掘り下げる、人を想うモノづくり

FMV CHシリーズとFMV THシリーズにはFCCLの「人を想うモノづくり」の最新形が体現されている。「人を想う」とき、製品のターゲットの幅が広いとその製品について「深く想う」ことは難しくなっていくが、深く掘り下げるためにターゲットを細分化して、ラインアップを増やしすぎれば、コストに跳ね返ってやがて採算のバランスが取れなくなる。上手にターゲットを切り分けて、その範囲でニーズの最大公約数を汲み取って作り込まねばならない。

FMVのラインアップは、流行やユーザーのライフスタイルの変化を追いかけながら変化し続けてきた。近年は27型大型デスクトップから教育向けタブレットまで含めた、かなり広めに幅を取ったラインアップになっている。これはまさにラインアップの一つひとつについて深く追求して「想う」ためになされた戦略といえる。

日本の住環境や日本人のライフスタイルを深く研究するマーケティング能力と、寄り添うアイデアを生む企画力、それを形にできる技術力。部品一つひとつの選定からサポートまで徹底的にこだわることで育まれる、FCCLならではの「人を想うモノづくり」が伝わってくる。(ライトアンドノート・諸山泰三)