ヴァンダレイ・シウバが6年半ぶりにさいたまスーパーアリーナに帰って来る。日本の格闘技ファンにとってうれしいニュースだが、何よりも当の本人が日本への帰還を喜んでいた。「さいたまスーパーアリーナには色々な思い出が詰まっている。ホテルの周りを歩いていて、みんなが俺に気付いてくれた。日本のファンは俺のことを忘れないでいてくれたんだ。日本で闘えることをとても誇りに思う。そのチャンスを与えてくれたUFCに感謝している」とシウバは感謝の念を口にした。
36歳となった今のシウバに、かつてPRIDEのリングで、IQレスラー・桜庭和志に3連勝し、ミドル級絶対王者に君臨した無敵ぶりはない。総合格闘技のメジャーリーグとも言えるUFCに2007年末に再出陣後は、3勝5敗と負け越している。しかし、日本のファンを魅了したアグレッシブすぎる姿勢や強烈なラッシュは今も変わらない。何年経とうが、どこのリングに立とうが、シウバは「倒すか倒されるか」の闘いを実践する。
『UFC JAPAN』のメインイベントで対峙するブライアン・スタンは、シウバと手が合う相手と言えよう。アメリカ海兵隊出身のスタンも、「倒すか倒されるか」の闘いが身上だ。総合格闘技のキャリア17試合のうち、判定までもつれ込んだのは4試合しかない。12勝(9KO1一本勝ち)5敗の戦績を誇る。
シウバは語る。「スタンとの試合はとてもハードになるだろう。彼と俺はファイトスタイルが似ている。対戦相手として申し分ない」
スタンも語る。「シウバが日本で人気者なのは当然の話だ。私も好きな選手さ。彼は素晴らしいファイターたちとたくさんの素晴らしい試合をしてきた。そんな彼と日本で対戦できるのはとても光栄だ」
「今回の試合が日本でのラストマッチとなるか?」と問われたシウバは、「そのつもりはない」とキッパリ。記者会見では「3ラウンドでKOする」と意気込んだが、30分後のインタビューでは「3ラウンドはかからないと思う。お互いアグレッシブに闘うタイプだし、逃げ回ることはしない。スタンとの試合は短い時間の試合になるだろう」と時短を約束した。
2月28日、フォトセッションになると、体をゆらゆら揺らしながら、スタンを睨み付ける「いつもの」ヴァンダレイ・シウバがいた。
『UFC JAPAN 2013』は3月3日(日)・さいたまスーパーアリーナで開催。シウバ×スタン以外の対戦カードはマーク・ハント×ステファン・ストルーブ、岡見勇信×ヘクター・ロンバート、五味隆典×ディエゴ・サンチェスなどがラインナップ。チケット発売中。