ソロ・アーティスト、ユニット、そしてバンドと、様々なスタイルの女性アーティストが音楽シーンを盛り上げている昨今……。その中で、ひと際強い個性を持つ女性アーティストたちが作ろうとしている新たなシーンがある。その名は、“嬢メタル”!
 

YUI「メタルを知らない人にも向けた聴きやすさは、Cyntiaの良いところだと思ってます。それと、女の子がメタルをやる“嬢メタル”っていうシーンも今はありまして、その“嬢メタル”シーンを自分達の作品を通じてひとつのジャンルに変えるぐらいにしたいというか。

私たちが最初に作品を出させていただいたときはAldious(アルディアス)さんっていう先輩バンドの第2弾っていう形でCDを出させいただいたんですけれども、そういうふうに次、また次にっていう感じで新しい女の子のメタルがどんどん出てくるような新しい時代を築けるバンドになれれば良いなっていうのはありますね」

“嬢メタル”とは、まさにその名の通り、女性ならではの艶やかなビジュアルを持ちつつ、本格派なヘヴィ・メタルをぶちかますガールズ・バンドのニュー・ムーブメント。というシーンの中でも、自身2作目となるアルバム『Lady Made』でついにメジャーデビューを果たすこのCyntiaは、音楽誌『Player』の読者人気投票による「BEST NEW ARTIST」部門で1位を獲得、『BURRN!』誌では『BRIGHTEST HOPE』部門でCHAMPIONを獲得したかと思えば、なんとあの韓国女性アイドルグループ・KARAの東京ドーム公演にバンド・メンバーとして出演を果たすなど、ものすごい経歴の持ち主なのだ。
 

SAKI「私たちは、“歌ものメタル”っていうふうに言わせていただいているんですけれども、みんなで歌えるような聴きやすい、メタルを知らない人の入口になるようなメタルをやりたいっていうのをバンドのコンセプトにしています。私達はメタルっていう音楽を自ら選んで今こうしてやっているんですが、そのメタルっていう音楽が世の中に広く知れ渡っているかっていったら、決してそうではないと思うんですよ。

だからこそ私たちは、メタルっていう音楽はこういうところが良いんだよっていうのを知ってもらいたいし、それこそ“みんなが知ってるメタルの曲”みたいなものがもっと世の中にあって良いんじゃないかなっていうふうに思っていて。私たちは“歌ものメタル”、みんなで歌えて、聴きやすくて、メタルを知らない人の入口になるような……。メタルにもこういう聴きやすい楽曲がある、じゃあ聴いてみよう! っていう入口になるような音楽がやりたいっていうところで、“歌ものメタル”を掲げています」

アイドル並みのルックスを持ちながら、パワフルに、かつ繊細な歌声を奏でるボーカリストSAKI。そして、古くはジミ・ヘンドリックスなども愛用したギブソン社の名器・Flying Vの使い手であるギタリストYUIを筆頭に揃ったメンバーは、メタルをさらに広い世界へ浸透させるべく自ら標榜する“歌ものメタル”を体現するにふさわしい、確かな技術と豊かな個性を兼ね備えたプレイヤー揃い。“メタル”をあくまでも音楽性の芯にどっしりと据えながら、よりキャッチーに、多彩なフックも満載な楽曲を生み出す彼女たちの背景には、こんな意外なルーツも……。