日本で依然と続くペットブーム。
しかし、犬を飼う人が増えれば、それと比例して増えていくのが「保護犬」の数。
保護犬とは、何らかの事情で元の飼い主から動物愛護団体や保健所などによって保護された犬のこと。保護される理由は「引っ越しで飼えなくなった」「子供がアレルギーを発症した」などの理由から「予定外にたくさんの子犬が生まれたため」「無駄吠えが治らないため」「老犬になり介護が大変」「経済的な余裕がなくなった」などの理由まで様々。
日本の場合、保健所に引き取られた保護犬たちの行く末が「殺処分」。地球生物会議ALIVEが発行した「全国動物行政アンケート結果報告書」によると平成22年度の殺処分数は犬猫合わせて21万匹以上。このうちの3割は飼い主から直接持ち込まれたペットとのこと。
こういった犬を一匹でも助けようと、ペット先進国と呼ばれるイギリスやドイツでは、ペットショップやブリーダーからではなくシェルターと呼ばれる動物保護施設から家族として迎え入れる犬を探す人が増えています。
しかし、日本ではまだ「保護犬」自体に馴染みがないのも事実。一体どのように探せばいいのかもあまり知られていません。そこで、ここでは「運命の保護犬」の探し方を3ステップで紹介。
もし将来、犬を飼いたいと思っている人がいるのであれば、「保護犬の里親になる」という選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。
1ステップ:保護犬のことを理解する
保護された犬の中にペットショップで売られているような「子犬」はほとんどいません。ほとんどの犬が成犬~老犬です。したがって、可愛らしい子犬時代を共にすることはできません。どうしても子犬がいいと言う人は仕方ありませんが、子犬の期間はとても短いもの。子犬で迎え入れしても半年ほどで骨格や体重はほぼ成犬と同じ。しかも、個体によっては予想以上に大きく成長する犬もいたりします。その点、初めから成犬であればすでに骨格はできているため、そのようなトラブルもなく、おうちにあったサイズの犬を探すことができます。
また、保護犬には癖を持った犬が多いということ。幼い頃に虐待を受けていたり、充分な愛情を注がれていないこともあり、極度の寂しがりであったり攻撃性が備わっている犬をいます。しかし、動物愛護団体のほうでは、そういった癖を矯正してから募集をかけているので心配はありません。言い換えれば、子犬よりもよりハッキリした「個性」がすでに備わっているといった感じです。
そして、保護犬にはミックス/雑種が多いこと。日本では血統書付きの純粋犬種を好む傾向にあります。保護犬の中でも純粋犬種は人気があり、すぐに里親が決まることも。しかし、犬の健康や適応能力から考えるとミックスのほうがいいこともたくさんあります。肌の色や目の色、人気や見栄など、そういったことが気にならない人にはミックス犬もおすすめです。