『Another Story of Promise for the Future「裸の音」』より

福山雅治が1月28日(金)、国立代々木競技場第一体育館から無観客オンラインライブ『Another Story of Promise for the Future「裸の音」』を生中継した。

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ツアーとは全く異なるセットリストで、リハーサルの模様も生中継

福山は2021年11月から3年10カ月ぶりとなる全国アリーナツアー『WE'RE BROS. TOUR 2021-2022 “Promise for the Future”』を開催中で、当初は1月27日(木)・28日(金)に同会場で有観客ライブを行う予定だった。

しかし、新型コロナウイルスの感染者数が急増している状況を踏まえ、4月29日(金・祝)及び30日(土)に延期することを発表。

来場するファンの安全を第一に考えての決断だったが、福山が着目したのは、既に押さえられている使用可能な会場と、この日のために集まっていたバンドメンバー、そしてスタッフの存在だった。

そこで急遽立ち上げたのが、今回の『裸の音』という真新しいコンセプト。ツアーとは全く異なるセットリストを考案し、初の試みとしてそのリハーサルの模様も生中継。

開催発表からたった4日間、準備期間は実質2日間で、ライブをつくりあげるプロセスそのものをドキュメントで見せていく、画期的なエンターテインメントを送り届けた。

異例の段取りとなったリハーサル

代々木公演初日となるはずだった27日は、同会場にてリハーサルを実施。アリーナの中央をステージとし、高低の段差なく、それを取り囲む形で機材を配置。設営の既成概念を取り払った自由な発想に基づく、これまでに見たことのない光景が広がっていた。

メンバーは、バンドマスターである井上鑑(Key)をはじめ、山木秀夫(Ds)、高水健司(B)、今剛(G)、小倉博和(G)、金原千恵子(Vn)、山本拓夫(Sax)という最強の布陣。

セットリストには久しぶりの披露となる曲も含まれており、通常ならばリハーサルスタジオで練り上げる準備期間が必要だ。しかし今回は、おさらいとして一度音源を流して聴いた後、すぐに全員で合わせるという異例の段取り。

照明演出、カメラワークも並行してゼロから積み上げていく様はスリリング。チーム福山の全員がプロ中のプロだからこそ成せる業である。

福山が現場で繰り返し口にしていたのは、「演出を積み重ねていって完成形をパフォーマンスするというよりも、まずは自分たちが音楽を楽しむこと。それを切り取ってお届けしたい」という基本理念。ショウではなくドキュメンタリーを届けたい、との意図を明確にアナウンスし続けていた。

撮影チームには「クレーンカメラも含め、もっとステージの中に突っ込んできて大丈夫です」などと声掛け。ライブづくりに携わる全員に対し、内なるエモーションの炸裂を求めてやまなかった。

リハーサルを終えた後には福山が中心となって各セクションのチーフと打ち合わせ。その後もステージへ戻り様々な確認を夜遅くまで行い、次々とアイディアを出してはプランを更新し続けていった。

『Another Story of Promise for the Future「裸の音」』より

本番日の28日。福山はスタッフに対し、「皆さんの映り込みも含めてステージセットであり、今日は一人一人が出演者です。“俺の背中カッコいいでしょ?”“俺の仕事カッコいいでしょ?”という気持ちでお願いします」と言葉を掛けていた。

それはリクエストであると同時に、スタッフを信頼し、その素晴らしさを誇りに思っている証。カメラの回っていない時にも、「映しちゃいけないものはここには何もないので」(福山)という言葉を何度も耳にした。

14時からのサウンドチェック、続いてリハーサルの模様をそのまま会場から生中継。歌唱と演奏の様子はもちろんのこと、撮影のアングルや照明に対し冷静かつ的確にディレクションしていく福山のレアな姿を、カメラは包み隠さず捉えていく。

前日のリハーサル後に急遽差し替え、本番当日に初めて音を合わせる曲もあったが、瞬時に全員が対応していた。