家族の秘密
デビーの息子は学校で、肌の色が違うという理由で恐喝されたりしているのですが、家族には秘密にしています。デビーは、現在の台湾人の旦那さんにも息子にも、実の父の事は秘密にしています。旦那さんは働きもせず、昼間から酒浸りに麻雀、デビーに頼りっぱなしの生活です。息子も、台湾人の父に呆れ気味です。物語の前半は、この秘密が原因で家族関係は最悪です。全員が悩みを持ち、家族に当たってしまいます。そこへ、ある男性がインドネシアからやってきます。この男性はデビーの元恋人、息子の実父でもあります。デビーと元恋人の会話を、現在の夫は聞いてしまいます。
父と息子
息子が同級生に恐喝された事を知った、台湾人の父。息子と、同級生に仕返しをしに行きます。このシーンがとても爽快です!リベンジを果たした二人の姿は、本物の父子そのものです。この事をきっかけに、父子の絆は深くなります。
実父と育ての父
「実父」であるデビーの元恋人が、息子をインドネシアに連れて帰ろうとしている事を知った「育ての父」は、「実父」の元にデビーを連れて、抗議しに行きます。普段ダメダメな夫が、ここでは最高級にカッコイイんですよね。荒っぽい性格の「育ての父」は、「お前なんかに息子を連れて行かせるかー!」とすごい剣幕で怒鳴りまくります。それをインドネシア人の「実父」に、デビーが通訳します。かっこ良すぎて、もうハンカチなしでは映画を見続けられません。あんなにろくでもない生活をしている育ての父が、実父を目の前に「オレが息子の親父だ!」って言うんです。普通の人じゃ、血の繋がってない息子のために言えないですよ。
息子と実父
実は、息子とインドネシア人の父は、二人で会っていました。生まれて初めて会う二人、血の繋がった親子といえど、お互いぎこちなくなってしまいます。実父は台湾の言葉がわからないので、会話も、たどたどしい英語でします。この二人のやり取りが、本作の1番の見どころです。是非、このシーンは劇場で観て下さい。ハンカチ用意ですよ!
何気ない日常
息子はインドネシアには帰りません。
最初バラバラだった家族は、この事件がきっかけで、やっと”普通”の家族になります。
特に裕福でもない家族ですが、何気ない日常ほど、最大の幸せなんだと思わせてくれる、とてもハートフルな映画です。
<さいごに>
台湾は、東日本大震災では多額の義援金を贈ってくれました。また、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でも1番印象に残る戦いいを繰り広げたことも記憶に新しいです。この映画をきっかけに日本でもたくさんの台湾映画が見れるといいですね。