採用をしていると、人事も時代の変化に翻弄されることがあります。企業が就職情報サイトを使って採用活動をするのは一般的になっており、もはやインターネットに接続できる環境無しでは就職活動も採用活動も成立しなくなってきている。いや、すでになっていると言っても過言ではないですね。また今年2014年度の就職戦線それ以外にもいろいろな理由から、他の就活生や企業のスピードについて行けない就活生がでている状態、つまり温度差就活が発生しています。今年の就職戦線について、就職サイト、マイナビの編集長三上隆次氏にお話しをお伺いしました。
温度差1:前倒し就活に対応する学生と取り残される学生
捜査官「今年の就職活動が活況期に入ってきていますが、去年の就職活動に比べて違う点はみえてきていますか。昨年末から温度差就活というキーワードが出てきていますが。」
三上氏「確実に違いますね。特に企業側の活動が急激に早まってきました。一応経団連(※1)加盟の企業は、4年生になるまで、つまり4月1日までは、面接等の選考活動はしないとのことになっているのですが、去年12月以前から、インターンシップや大学内での就職研究会に参加して自社をアピールしています。また、1Dayインターンシップなどは、もっと早くて去年の夏からおこなっていますね。マイナビでもインターンシップエントリーが、学生側からも企業側からも好評でした。」
捜査官「去年の夏からですか! つまり、企業側としては採用には直結しないが、12月の広報開始までに、「自社を知っておいてもらいたい」という意向が非常に強い、しかし、学生にその意識、いや危機意識が芽生えている人が少ないということですか。」
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三上氏「その通りです。学生の大半が、去年の先輩の活動を見ていて比較的うまくいっていたので、楽観視していた部分もありました。しかし、そうこうしていたら、企業側が前年に比べ採用活動を前倒しで行ったため、あわてて学生側も12月より活動開始。しかしエントリーシートを書いて下さいと言われて、まともに書けない学生が非常に多い。そういう学生が大学のキャリアセンターにあわてて相談しにくる、これが第1の温度差です。」
早い人では去年の夏から企業にアプローチしていた学生と、あわてて就職活動を始める学生の温度差、そこに企業の採用活動早期化が重なって、更なる温度差を生んでいる実態がつかめましたね。しかし未だに就職活動を開始していない人も数多くいるそうで、就職率を上げたい大学側の悩みの種になっているようです。三上氏の話では、「マイナビでもいまから就職活動を開始する就活生を対象とした「マイナビ就職セミナー」を開催しているので、是非参加してほしい。あと6ヶ月あるのだから、まだ間に合う、とにかく一日でも早く活動すること。」がキモだそうです。