総務省は3月29日、地方と都市の差を縮め、デジタル基盤の整備によって新たな成長戦略の柱とする「デジタル田園都市国家構想」の実現に向けて策定した「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」を公表した。高速・大容量の次世代通信規格「5G」について、現状の3割程度の人口カバー率を段階的に引き上げ、2023年度末(24年3月まで)には95%、25年度末(26年3月まで)には97%、30年度末(31年3月末まで)には99%に引き上げる。
デジタル田園都市国家インフラ整備計画では、光ファイバー、5G、データセンター/海底ケーブル等、Beyond 5G(いわゆる6G)について、それぞれ目標を定めた。そのうち、光ファイバーについては、27年度末までに世帯カバー率99.9%を目指し(従来の目標より約3年前倒し)、未整備世帯約5万世帯については、光ファイバーを必要とする全地域の整備を目指す。
5Gについては、まず、全ての居住地で4Gを利用可能な状態(23年度末までに4Gエリア外人口0人)を実現し、その上で5Gエリアの拡大を加速させる。具体的な施策は、「新たな5G用周波数の割当て(2.3GHz帯の新規割当てを含む)」「基地局開設の責務を創設する電波法の改正」「補助金、税制措置による支援」「インフラシェアリング推進」となる。
また、5Gの次世代となる通信規格のBeyond 5G(6G)については、Beyond 5Gに向けた研究開発戦略を22年夏に取りまとめ、大阪・関西万博を起点として25年以降順次、社会実装と国際標準化を推進する計画。
このデジタル田園都市国家インフラ整備計画に基づき、既にサービス提供中の都市部のみならず、従来なら後回しか採算性から提供エリア外だった地方・郊外まで5Gが広がるか、各通信事業者のサービスエリアマップの更新状況や、5G普及に向けた取り組みに注目だ。(BCN・嵯峨野 芙美)