PC用メモリ市場が徐々に復調しつつある。PCの自作に欠かせないメモリ。既存マシンのパワーアップにも活用されている。昨年は、巣ごもり需要の反動や1GB当たりの単価(GB単価)の上昇などで3月以降販売数が低迷。連続して前年を下回っていた。しかし、9月以降徐々に回復。この3月、13か月ぶりに前年を上回った。家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で過去3年間のGB単価と販売台数指数を振り返る。

メモリのGB単価は、この3年で200円を超える下落幅を記録した。19年は、3月時点で742.4円だったが、商戦期の12月には445.9円まで下落。19年3月の販売台数を「100」とする販売台数指数は急上昇し、過去3年で最高の147.0を記録した。GB単価は20年2月に一旦500円台に戻したが、7月以降は再び500円を割れた。コロナ禍による巣ごもり需要の影響もあり販売台数は好調に推移。21年は2月に94.4と100を下回ると、4月にはGB単価が579.7と600円台に接近し、指数は73.9まで減少した。7月までは低調に推移したものの、8月以降は徐々に回復。12月にはGB単価が453.1円まで下がったこともあり、指数は115.6まで上昇した。22年1月以降はGB単価が上昇に転じたが指数は100前後をキープ。復調の兆しが見える。とはいえ世界的な半導体不足や物流網の停滞など、依然として楽観できない状況は続いている。

メーカー間の販売台数シェア争いにも変化が起きている。22年3月4週にSilicon Powerが28.1%のシェアを獲得し、シー・エフ・デー販売を逆転。過去3年で初めて週間首位の座についた。シー・エフ・デー販売は20年11月4週から22年2月2週まで35~40%前後を占め独走状態だったが、徐々に失速。直近週は23.7%までシェアを落とした。3位争いはMicron Technologyが優勢。半年前は10%にも満たなかったシェアを18.4%まで伸ばし、4位のCorsairとの差を広げている。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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