2試合連続スコアレスドローにも、FC東京・アルベル監督の表情は明るかった。『明治安田生命J1リーグ』第8節・浦和レッズ戦に続き、第9節・北海道コンサドーレ札幌戦も0-0に終わったが、指揮官は「両チームともとても見応えのある攻撃的なゲームをお見せすることができたと思う」と胸を張った。
アルベル監督の自信も頷ける。試合開始とともにFC東京も札幌も激しいプレスを展開。序盤だけではない。ハードプレスのスピードとインテンシティは90分間高いレベルで保たれたのだ。互いに激しいプレッシングを仕掛ける中、攻守は目まぐるしく入れ替わり、時間の経過とともにチャンスも増えていった。
札幌の決定機はGKヤクブ・スウォビィクの神がかったスーパーセーブで阻止した。78分、右CKから途中出場の19歳・中島大嘉のドンピシャヘッドをはじくと、詰めてきた荒野拓馬の至近距離からのシュートもスウォビィクは倒れ込んだままセーブした。
FC東京の決定機は試合終了間際に訪れた。91分、MF安部柊斗のサイドチェンジから途中出場のアダイウトンがスピーディなドリブルでペナルティエリアに侵入、ゴール前にラストパスを送ると高卒ルーキー・松木玖生が詰めるもバウンドが合わず、ボールに触れることはできなかった。敵将ペトロヴィッチ監督も「Jリーグでは稀に見る非常にインテンシティの高い素晴らしいゲームだった」と振り返ったスリリングな熱戦はこうして幕を閉じたのだった。
対する名古屋グランパスも前節のスコアレスドローに手応えを掴んだ。2勝2分3敗・勝点8の13位に甘んじる名古屋は、好調・鹿島アントラーズとアウェイで対戦。丸山祐市が11か月ぶりに戦線復帰した名古屋は中谷進之介、藤井陽也との3バックに変更、鈴木優磨&上田綺世の強力2トップに仕事をさせなかった。試合後、長谷川健太監督は「やっと締まった試合ができた。非常に大きな手応え。3バックを含めて、全員が高い集中力を持続できたので、スコアレスという形に持っていけた。次はこれを勝利につなげられるようにしたい」と好感触を口にした。
リーグ戦の通算成績を振り返ってみるとFC東京が18勝9分13敗と勝ち越し。ただ直近3試合で2分1敗とFC東京は未勝利である。
果たして、FC東京が前監督率いる相手を叩き上位進出を睨むのか、名古屋が浮上のキッカケを掴むターニングポイントにするのか。手応えと好感触を得たスコアレスドローを勝利につなげるのはどっちだ。『明治安田生命J1リーグ』第2節・FC東京×名古屋は4月20日(水)・味の素スタジアムにてキックオフ。チケットはチケットFC東京(Jリーグチケット)にて発売中。試合の模様はDAZNにて生中継。