2021年6月に東京・港区で開催した「ジャーニー」のジャパンプレミア

サウジアラビアのコンテンツ制作会社マンガプロダクションズは5月18日、長編アニメ映画『ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語』がオランダのセプティミウス賞(Septimius Awards)で最優秀エクスペリメンタルシネマ賞(Best Experimental Film Award)候補にノミネートされたと発表した。

ジャーニーは、21年にマンガプロダクションズと東映アニメーションが共同で制作。日本とサウジが共作した初の長編映画だ。日本では6月に上映された。監督は『名探偵コナン』の静野孔文氏、脚本『劇場版ONE PEACE STAMPEDE』の冨岡淳宏氏、音楽は『犬夜叉』の和田薫氏が務めた。声優陣に古谷徹氏、神谷浩史氏、黒田崇矢氏など、日本ではおなじみの豪華メンバーを起用したことでも話題を呼んだ。アラビア半島の歴史や逸話から着想を得た壮大な物語で、歴史的に平和な都市メッカを巨大な侵略軍から守る青年アウスとメッカの民を描いたもの。水彩画風、伝統的な日本画風、ゴッホ風スタイルなど四つの芸術様式を駆使して表現した。

本作のエグゼクティブプロデューサーも務めたマンガプロダクションズのブカーリ・イサム CEOは「今回のノミネートは、マンガプロダクションズと東映アニメーションが協力したサウジ・ウイズ・メイドインジャパンが評価された証し。『ジャーニー』は、新たなマイルストーンになる」とコメントした。東映アニメーションの清水慎治 顧問は「本作は日本で大好評を得ただけでなく、サウジ本国では過去最大級のスクリーン数で公開され大ヒットを記録した。アラブ9カ国の映画館でも上映し、今年4月には、ハリウッドのチャイニーズシアターでプレミアを上映した」として、世界各国で上映された実績を語った。

セプティミウス賞の各賞は、6月7日にアムステルダムで開催されるセプティミウス映画祭で決まる。(BCN・道越一郎)