世間には本当にたくさんの種類の缶コーヒーが売られている。これだけ種類があって、さらに毎月のように次々と新商品が発売される飲み物は、ちょっと他には見当たらない。そう、缶コーヒーはもはや“国民飲料”と呼んでも差し支えないほどの存在になっているのだ。

このコーナーでは、そんな多種多様な缶コーヒーを、研究員の独断と偏見でレビューしていく。このレポートが、少しでも皆さんの缶コーヒーライフのお役に立てれば幸いだ。

今週のテーマ「ちょっとリッチな気分に浸れる“贅沢”がコンセプトの缶コーヒー3本飲み比べ」

メーカー:POKKA
商品名:贅沢焙煎ブレンド

一口飲むと深煎りされたコーヒー豆の濃厚なコクが口いっぱいに広がり、さらに濃厚なミルク感がその味わいをさらに引き立てる。贅沢焙煎と名乗るだけあり、コーヒーとミルクがバランスよく融合した完成度の高い一本だ。また、香料不使用にも関わらずこれだけの香りを引き出しているのもお見事。どちらかといえばミルク分が強く、炎があしらわれた強烈なパッケージに反して飲み口はかなりやさしい。コーヒーが苦手な女性やお子様でも十分飲めるのではないだろうか。外見は怖いが中身は優しい、言うなればこの「贅沢焙煎ブレンド」は芸能界でいうところの泉谷しげるだ。強いていうなら、甘さにやや後を引くしつこさがあるのだが、それもまた孫にデレデレの泉谷しげるらしいとも言える。

【成分(100gあたり)】

エネルギー(kcal) 34
たんぱく質(g) 0.9
脂質(g)  0.4
炭水化物(g)  6.8
ナトリウム(mg) 31
糖類(g) 記載なし

コク ★★★☆☆
キレ ★☆☆☆☆
香り ★★★☆☆
甘味 ★★★★☆
苦味 ☆☆☆☆☆


メーカー:サントリー
商品名:BOSS 贅沢微糖


高級豆の種類を3種類から4種類へ増やしてブレンドした贅沢さが売りの微糖缶コーヒー。全体的な味のバランスが整っており、香り、苦味、甘味などがちょうどいいレベルでまとまっている。微糖が嫌いな人以外の万人にお薦めできるスタンダードな味わいだが、それだけにやや特徴に欠ける一面も。とはいえ安心して飲める味なので、特に「こういうのが飲みたい」と決まってないなら、とりあえずの一本としてぴったりだ。この良い意味での“とりあえず”感は、芸能界で言うなら関根勤。とりあえずそこにいてくれるだけで場を盛り上げてくれるだろうという安心感は番組制作者にとっても心強いものだろう。そんな関根勤と同じような“飲んでよし、薦めてよし”の安心感が「BOSS 贅沢微糖」には備わっている。

 【成分(100gあたり)】

エネルギー(kcal) 19
たんぱく質(g) 0~1.0
脂質(g) 0~1.0
炭水化物(g) 2.9
ナトリウム(mg) 51
糖類(g)  2.2

コク ★★☆☆☆
キレ ★★☆☆☆
香り ★★★☆☆
甘味 ★★★☆☆
苦味 ★★☆☆☆

 

メーカー:コカ・コーラ
商品名:ジョージア TRIPLE STAR PREMIUM

トリプルスター、すなわち三つ星を謳ったプレミアムな缶コーヒー。「3つ」ということで3種類の高級豆を使用しており、豆のうまみとコク、ほのかな香りが特徴だ。ややまったりした味わいで若干の酸味があり、そこで好みが分かれるかもしれない。しかしながら豆自体の風味はしっかりしており、三つ星の自信を感じさせる確かな味わいとなっている。この風格はまさに缶コーヒー界のドン小西。「わかるやつだけついてこい!」と言わんばかりの絶対的な自信が、ドン小西から、そしてこの「TRIPLE STAR PREMIUM」からもあふれ出ている。

 



 【成分(100gあたり)】

エネルギー(kcal) 27
たんぱく質(g)  0.6
脂質(g) 0.4
炭水化物(g) 5.3
ナトリウム(mg) 48
糖類(g) 記載なし

コク ★★☆☆☆
キレ ★★☆☆☆
香り ★★★☆☆
甘味 ★★☆☆☆
苦味 ★★★☆☆

 

やまだい・ゆうき 映画、漫画、ゲームなどエンターテインメント関連の記事を中心に執筆するフリーライター。飲料では特にコーヒーとカフェオレをこよなく愛しており、これまでに数百もの缶コーヒーの感想を記録している。ブログ