パルコ・プロデュース 2022「凍える」の取材会がオンラインで行われ、主演の坂本昌行が公演への思いを語った。
本作は、2004年にトニー賞BEST PLAYにもノミネートされたヒューマンサスペンス。
児童連続殺人犯のラルフの前に、行方不明になった少女の母ナンシー、精神科医のアニータがそれぞれ対峙(たいじ)し、3人の内面に宿る拭い切れない絶望感、消えることのない悲しみ、やり場のない憎悪があふれ出し、止まったままの時間が動き始める。
今回、坂本が演じるのは、小児性愛者の連続殺人鬼という役どころ。これまでの坂本のパブリックイメージとは真逆の難役だ。
坂本は「自分のパブリックイメージというのは一切、考えてはいないです。役者である以上は、頂いた役にどれだけ近づけるか、輪郭をはっきりつかんでお届けするかだけだと思います。今までやったことがない役を頂けたのは大きなチャンスですし、引き出しを増やすことができる大事な時間になると思いますので、練りに練って考えながら役をしっかりと構築していきたいです」と意気込みを語った。
また、坂本は、栗山民也氏が演出を務めた1992年上演のミュージカル「阿国」で初舞台を踏んで以来、30年ぶりの栗山演出作品への出演となる。
坂本は、初舞台を「人と同じことをするのが苦手で、集団行動が苦手な人間だった僕が、初めてプロの世界に飛び込んで、今までの自分が恥ずかしく思えたのが『阿国』でした。一つのものを作るプロの集団を見て、すごくカッコいいと感じましたし、初めてプロのすごさを感じて、そこから舞台の魅力にハマりました」と振り返る。
そして、改めて「このお話の前半は、それぞれの独白で展開します。今までに見たことがない作品になるだろうと感じています。ハッピーではない作品かもしれませんが、皆さまの心に問い掛ける部分もある作品ですので、感染対策に注意しながらぜひ劇場にいらしていただければ」と呼び掛けた。
パルコ・プロデュース 2022「凍える」は、10月2日~24日に都内・PARCO劇場ほか、全国7都市で上演。