意外に使い勝手のいい「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」(画像はイメージ)

【こっそりミームを教えます・49】 ネット上にいつの間にか現れては浸透しているミームたち。中にはマンガやアニメのセリフがそのままミームになったものも存在する。今回紹介する「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」もその一つだ。一体どうやって生まれたミームなのか、由来を探ってみよう。

トラウマになった人も多い有名なシーンが元ネタ

「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」が出てくるのは、累計発行部数8000万部を超える大ヒットとなったマンガ『鋼の錬金術師』の第2巻。“綴命の錬金術師”ショウ・タッカーが主人公エドワード・エルリックに放った言葉だ。

“キメラ錬成”の研究者であるタッカーが作り出した「人語を理解するキメラ」。それが人と動物を合成するという“禁忌”を犯したものだと気づいたエドワードは、タッカーに「ニーナとアレキサンダーどこに行った?」と問いかける。実はニーナとアレキサンダーは、タッカーの娘と愛犬。研究成果を出せず焦りを覚えたタッカーは、あろうことか自分の娘と犬を錬成に使用したのだ。

わずかな情報で全てを悟ったエドワードに対し、タッカーは「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」と言い放つ。それまでニーナとアレキサンダーの無邪気な可愛さが描かれていただけに、トラウマシーンとして印象に残っている読者も少なくないだろう。

非常にショッキングなシーンで使われたセリフだが、その後ネット上でミーム化。例えば「3連休中に課題進まなかった」という呟きに対し、「連休前よりゲームのレベル上がってるもんね」とツッコミが。そこで「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」と返す形で、核心を突かれた時などに使われているようだ。

相手の問いかけを肯定しつつもはぐらかすような「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」。意外にも汎用性が高いので、機会があれば使ってみてはどうだろうか。(フリーライター・井原亘)

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■Profile

井原亘

元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている