鈴木優磨(鹿島アントラーズ) (C)J.LEAGUE

選手たちは次節の戦いの重要性は十分理解していることだろう。鹿島アントラーズは8月7日にレネ・ヴァイラー監督の退任、翌日には岩政大樹コーチの新監督就任を決定した。11勝7分6敗・勝点40の5位ながら、5試合連続勝利なしという悪い流れを断ち切るべく、クラブは決断を下したのだった。

岩政新監督は就任に際し、クラブを通じて「アントラーズは勝たなければならないクラブ。今年も残るすべての試合に勝ち、タイトル獲得を全力で目指していく。同時に、今鹿島に求められているのは”新しい鹿島”を創り上げること。そのために、伝統ある『これまでの鹿島』を正しく定義し、新しい時代の『これからの鹿島』を選手たちと一緒に、そして皆さんと一緒に、手探りで見つけ出していきたいと思っています。鹿島が鹿島であるために。カシマがカシマであるために」とコメントを発表。

新監督は鹿島が鹿島たるゆえんを選手たちにしっかり再認識させることから始めた。そして前監督のハイプレス&ショートカウンターを継承しつつ、相手に対策を敷かれた際の二の矢の準備と守備の整備を行うつもりだ。8月12日にはナイジェリア人FWエレケもチームに合流した。前任者のもとではあまり出場機会が得られなかったディエゴ・ピトゥカや土居聖真らのモチベーションも高まっているはず。前節・サンフレッチェ広島に敗戦後、「いかにボールが円滑に回るようになるのか、いかにチャンスが作れるようになるのか、いかに点を取れるようになるのか、全部俺がやればいい。もうやるしかないと、俺は覚悟を決めている」と悲壮感を漂わせていた鈴木優磨も少しは肩の力を抜けることだろう。

対するアビスパ福岡は8月10日『JリーグYBCルヴァンカップ』プライムステージ準々決勝を戦ったばかり。しかも新型コロナウイルス感染症の陽性者が続出し、メンバーが揃わない中での強行軍である。それでもルキアンの2戦連発などでヴィッセル神戸に連勝し、クラブ史を塗り替えてベスト4進出を決めた。福岡の選手たちは今疲労の蓄積を補うほどにノッている。

リーグ戦の通算成績では鹿島が17勝1分3敗と圧倒するも、昨季は福岡が第5節1-0、第28節3-0とシーズンダブルを達成。今季第7節は鹿島が1-0と勝利したが、『ルヴァンカップ』プレーオフステージでは1勝1敗ながら福岡がアウェイゴールの差で勝ち上がった。

果たして、鹿島が岩政新監督の船出を白星で飾るのか、福岡がカップ戦の勢いをリーグ戦につなげるのか。『明治安田生命J1リーグ』第25節・鹿島×福岡は8月14日(日)・茨城県立カシマサッカースタジアムにてキックオフ。チケットは鹿チケ(Jリーグチケット)にて発売中。試合の模様はDAZNにて生中継。