カウンターがあり、奥には4人ほど座れる座敷がある。恐らく16人も入れば満席になるようなお店だ。
50代の職人風の男性と、さらに高齢の女性が切り盛りしている。
正面のカウンターに座り、男性の店員にオススメの料理を尋ねてみると、「こっちが美味しいと思っても、口に合うかどうかは分からないからね」とのこと。確かに正論だが、そう言われると戸惑ってしまう。
壁にかかったメニューを見て悩んでいると、女性の店員が「初めて来た?刺身の盛り合わせにする?」と言ってくれた。助け舟とばかりに二つ返事をすると、「じゃあ、後はご飯とお味噌汁かな?」と勧めてくれるのでそれに従うことにした。
その後すぐに2人連れのお客さんが入って来たが店が空いていたからか、すぐに料理が出て来た。
ビールや焼酎などのお酒も取り揃ってるお店だが、「寒かったでしょう」と、温かいお茶を出してくれた。
盛り合わせの中身は、タコ、エビ、マグロ、鯛。食べてみるとどれも新鮮で非常に美味しい。
温かい味噌汁とホクホクのご飯も、シンプルながら新鮮な刺身を引き立てるには十分な料理である。
店の名前はなんと?!
深夜に開く、なんとも不思議なお店。店主に聞きたいことは山ほどある。
女将さんは、男性の店員さんのお母様。ご主人が亡くなられた後は、母と子で経営しているそうだ。
ちなみに女将さんは70歳を超えており、息子さんは50代半ばだという。
ここ最近の、営業時間は午前3時から午前8時まで。
ただ常連のお客さんは午前10時頃までいる事が多く、実際に店を閉めるのはそれ以降になるそうだ。
そんな不規則な生活で大丈夫かと心配したが、女将さんは午後8時に寝て午前1時に起きる毎日。ご自身は「早寝早起きでしょ」と明るく答える。夜遅いのではなく、朝がすごく早いのだと考えると健康的な生活だ。
お客さんのほとんどは、野毛界隈の飲食店の方々。
自分の店が終わると、阿武茶゛に寄ってお酒を飲んだりご飯を食べて帰るのだそうだ。
午前4時を回るとお客さんも増え、カウンターはほぼ満席状態。隣にいた飲食店経営の女性に店の魅力を聞けば「アットホームなこと。魚が美味しいこと、癒されるので毎日来ますよ」と話してくれた。
その後、「お久しぶりです!3年ぶりに来ました!」と訪ねてくる男性も現れて店内は賑やかに。
すっかり深夜の憩いの場となっている。
また、「阿武茶゛(あぶぢゃ)」という店の名前は、実は女将さんの娘のあだ名ということも判明。
娘さんは小さい頃からはしゃぎ回る子だったようで、回りの大人が「危ない!危ない!」と注意する声を聞き、自分のことを「あぶぢゃ」と呼ぶようになったそうだ。
そのあだ名を、店の名前につけたのだと女将さんは話してくれた。
最後に、なぜ深夜に店を開くのか聞いてみたが、「創業以来58年もやってきているから、特に理由って言ってもねえ…」と、特別な理由は無い様子。ある意味、今もこうして賑わう常連客の需要によって形成されたた深夜営業なのかもしれない。
さいごに
漫画や映画の世界同様、深夜になってからオープンする深夜食堂は実在した。
ただ投稿者の質問によれば「野毛には結構ある」とのことだ。
もし他に深夜から営業するお店があれば是非はまれぽ編集部までご一報いただきたい。
◆阿武茶゛(あぶぢゃ)
住所 神奈川県横浜市中区宮川町2-15
電話番号 045-242-9727
定休日 基本的に日曜日が定休日
おおよその営業時間 3:00-8:00
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