現代のストリートで表現を続けるアート界の異端児“バンクシー”。現在、福岡アジア美術館で開催中の「バンクシーって誰?展」は、バンクシーの作品を絵が描かれた街並みごと体験できる“新感覚”の展覧会だ。全国5都市で50万人を動員。日本オリジナル巡回展のラストとなる福岡展の見どころを、記者発表・開会式の模様なども交えながら紹介する。
バンクシーは、少女と赤い風船を描いた絵に約1億5000万円の値がついたとたん、仕込んでいたシュレッダーを作動させて作品を切り刻むなど、自分の作品に大騒ぎをする人たちをあざ笑うかのようにゲリラ的な表現活動を繰り返している覆面アーティスト。創作活動の全貌や動機などその真相を知る者は少なく、いまだ謎に包まれた存在だ。本展は、2016年から世界各都市を巡回し人気を博した「ジ・アート・オブ・バンクシー展」の傑作群を、日本オリジナルの切り口で紹介するもの。福岡初上陸のプライベート・コレクター秘蔵作品を含む額装作品(約60点)に加え、バンクシーが絵を描いた“ストリート(街角)”の再現セット(約15点)で構成されている。
「バンクシーは時と場所を選んで作品を描いている。この展覧会では、実際の街並みの雰囲気やスケール感とともにバンクシーの絵を見て頂くことで、その活動の意図を想像してほしい」と本展企画プロデューサーの落合氏(日本テレビ放送網グローバルビジネス局イベント事業部)。舞台美術や映画・テレビのセットを手がけるプロ集団によって、錆、雑草、埃っぽさなど細部まで再現されたリアルな街角も本展の大きな見どころだ。
開会式には、福岡展公式サポーターを務める女優・筧美和子(かけいみわこ)も登場。
「“まるで映画のような”没入型の展覧会は、まさに旅をしているような新感覚です。1年前に東京展を見たのですが、福岡展ではさらに理解の幅が広がり、バンクシーは本当に奥が深いと感じました。きっとみなさんも“バンクシーって誰?”と想像をかき立てられるのではないでしょうか。また会場のいろんなところに隠れねずみ(スポットライトの中で動く)がいるので、それも探しみてほしいです」と語ってくれた。
本展覧会は、一部作品を除きすべて撮影OK。アンバサダーを務める中村倫也の音声ガイド(600円/所要時間:約30分)を聞きながら、旅気分でバンクシーの作品世界を体感してみては。
3月26日(日)まで福岡アジア美術館にて開催。チケットは発売中。