「ありよりのあり」=完全にあり!(画像はイメージ)

【こっそりミームを教えます・74】 ネット上に日々生まれては流行っていくミームだが、「なんとなく」で捉えていると間違った意味で使ってしまっていることも少なくない。今回ご紹介する「ありよりのあり」も、そんな間違いやすいミームのひとつだろう。

「あり」から「なし」まで微妙なグラデーションも

「ありよりのあり」は「あり」に寄っている「あり」なので、「かなりあり」「完全にあり」と全肯定の意味で使われる。例えば「今日の晩ごはんシチューにしようと思うけどどう?」「ありよりのあり!」といった具合だ。

2016年の「ギャル流行語大賞」にも選ばれており、よく目にすることの多いミームだろう。しかし、断定するのではなくなんとなくぼかしたような表現のためか、「どちらかというとあり」の意味で捉えている人もいるようだ。

実は同じ表現で「完全にない」を表す「なしよりのなし」から「ありに寄っているけどない」という意味の「ありよりのなし」、「なしに寄っているけどあり」の「なしよりのあり」など微妙なグラデーションも存在する。

「なしよりのあり」が「どちらかというとあり」のニュアンスを含むので、「ありよりのあり」は「完全にあり」だと分かっていただけるだろうか。

ちなみに「ありよりのあり」が流行ったきっかけは、15~16年にかけて放送されていた「アリよりのアリ 理想の男女をビジュアル化」というテレビ番組からとも言われている。それまでも若者の間で使われてはいたが、同番組がタイトルに使用したことで一気に流行ったという説が有力なようだ。

「完全にあり」とは言わずに表現をぼかしながらも、全肯定の意味を持つ「ありよりのあり」。ちょっと表現を柔らかくしたいときなどに使ってみてもいいかもしれない。(フリーライター・井原亘)

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■Profile

井原亘

元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている