映画『空海―KU-KAI―美しき王妃の謎』の初日舞台あいさつが24日、東京都内で行われ、出演者の染谷将太、松坂慶子、阿部寛とチェン・カイコー監督、主題歌を担当したRADWIMPSが登壇した。
本作は、夢枕獏氏の小説を映画化した歴史スペクタクル大作。遣唐使として唐へ渡った若き天才僧侶・空海を演じた染谷は「俳優人生において『空海』はどんな存在か?」と問われると、「一生忘れられない作品になりました」と答えた。
撮影は中国で約5カ月間にわたって行われた。染谷は「終わったときは、まるで夢の中にいたような気持ちになり、『空海』という映画の中に浸っていたんだなと改めて思いました。そして、自分が感じていた感覚を上回る素晴らしさがこの完成作にはあります。空海さんに学んだこと、監督の演出に学んだこともあり、一瞬一瞬が宝物でした」としみじみ振り返った。
「全編中国語のせりふを覚えるのは大変だった」と苦労も語った染谷だが、カイコー監督はコミュニケーションを大切にする人だったといい、「よく食事会を開いてくださった。中国の円卓を囲んで乾杯して、うたげをするのが楽しかった。シーンの前も何回も打ち合わせをしてくださったのがありがたかった」と感謝を述べた。
阿部は「チェン監督は、日本でいえば黒澤明監督のような存在。そのぐらいの緊張感、演出のこだわりがすごかった。30年ぐらい役者をやっていますが、まれな経験をさせていただいた」と語った。
松坂は、初日に茶を飲みながらコミュニケーションを図ってくれたカイコー監督について「役者が一番いい状態でカメラの前に立てるようにしてくださるご配慮がありがたかった」と語り、ほほ笑んだ。
また松坂は、先に撮影に入っていた染谷が、食事会でさまざまなことを教えてくれたというエピソードも披露し、「お若いのに包容力があって、落ち着いていらして頼りがいがある。後に天才といわれる空海に、本当にぴったりな方だと思いました」と絶賛。
染谷は「若年寄とよく言われます。質問してくださったので、答えたまでなんですけど…」と恥ずかしそうに言葉を返した。