知念慶(鹿島アントラーズ) (C)J.LEAGUE

今年こその思いは強い。鹿島アントラーズにとって、川崎フロンターレは天敵と言える。鹿島がリーグ戦の通算成績で唯一負け越しているのが川崎Fである。対戦成績は川崎Fの21勝8分9敗。ここ10試合でも川崎Fが7勝3分と圧倒し、14戦負けなしである。鹿島の茨城県立カシマサッカースタジアムでの勝利となると2014年11月まで遡らなくてはならない。

プレシーズンの不安は『2023明治安田生命J1リーグ』開幕戦で払拭した。岩政大樹監督はFW知念慶を左サイド、左SBで試していた佐野海舟をアンカーで起用するなど京都サンガF.C.対策を講じ、これがハマったのだ。前線からのプレッシングでペースを掴んだ鹿島は相手の隙を見逃さなかった。

8分CKの折り返しのクリアが小さいと見るやMFディエゴ・ピトゥカがダイレクトに左足を振り抜いて、絶妙なコントロールショットをズバリ。34分にはバックパスにFW鈴木優磨が猛然とチェイス、相手CBのミスを誘いボールを奪うとラストパス、知念に移籍初ゴールをプレゼントした。38分の知念のシュートは相手GKの好守に遭い、82分FW垣田裕暉のクロスを受けたMF松村優太のボレーはわすかに枠をとらえず追加点はならなかったが、危なげなく2-0の勝利を飾ったのだった。

試合後、岩政監督は「この勝利は34分の1以上の価値があったと思う。ただ、選手たちに伝えたのは『来週も勝つ』ということ。我々は昨季、同じような状況で川崎Fに敗戦している。それは繰り返さないようにしたい。選手たちには最初の2試合で2勝するということを最初から伝えている。次も勝利してから安心したい」と次戦を睨んだ。

一方、川崎Fは黒星発進となった。横浜F・マリノスをホームで迎えた開幕戦でGKチョン・ソンリョンのミスを突かれて早々に先制点を献上すると、前半の内にセットプレーから追加点を許したのだった。後半、主導権を握るも、アディショナルタイムに橘田健人新主将が1点返すのがやっとだった。さらにCB車屋紳太郎が負傷し、ジェジエウが一発退場。レアンドロ・ダミアンと小林悠が戦線離脱しているFW陣に加えて、DFもスクランブル状態となった。鹿島戦では最終ラインに入るであろう山村和也と柏レイソルから加入した大南拓磨に掛かる期待は大きい。また横浜FM戦で惜しいシュートを放ったCF宮代大聖の決定力も問われる。レンタルバックした宮代も「ポストに当たったかどうかなどは関係ない。決め切ることが自分もチームも大事で、一喜一憂せずに突き詰めたい」と次節での得点を誓った。

今年こそ鹿島が苦手意識を払拭するのか、それとも川崎Fが返り討ちにするのか。『明治安田J1』第2節・鹿島×川崎Fは2月25日(土)・カシマスタジアムにてキックオフ。チケットはJリーグチケットにて発売中。試合の模様はDAZNにて生中継。