家長昭博(川崎フロンターレ) (C)J.LEAGUE

前節の神懸かった大逆転劇を生かすためにも、次が大事になる。川崎フロンターレが『明治安田生命J1リーグ』第3節で湘南ベルマーレを迎え撃つ。

それにしても鹿島アントラーズ戦は劇的だった。CB山村和也が退場となった83分のスコアは0-1。開幕2連敗が頭をよぎる6分後、左CKのクリアをCB大南拓磨、右WG家長昭博とつなぎ、FW山田新がゴールネットを揺らした。土壇場で追い付いた川崎Fだが、引き分けでよしとはならない。数的不利でも、アウェイでも川崎Fは攻めの姿勢を貫き、PKを奪取。98分家長のタイミングをずらしたキックをGK早川友基がキャッチ。万事休すと思われたが、早川がゴールラインの前に出ていたとの判定で蹴り直しに。2度目のPKを家長がきっちり沈めて逆転。101分の出来事である。

J1通算400試合を達成した家長は蹴り直しのPKについて、「心境は多少違うが、そんなには」、節目の試合については「出てみると、ただの数字。大事なのは内容だと思う」とらしさ満点のコメントを残した。

前年の悔しさを晴らす意味でも、明日は重要なゲームとなる。昨季、川崎Fは湘南に“ダブル”を食らった。等々力での第15節は0-4の大敗となった。49分右CKからのFW町野修斗がヘディングシュートを決めると、54分最終ラインからつないでMF池田昌生がゴール。60分にはカウンターから町野の2点目、61分にはキックオフのボールを奪取したショートカウンターからMFタリクがフィニッシュした。湘南ファンにとって至福の12分間は、川崎Fサポーターにとって悪夢の12分間となったのだ。

敵地に乗り込んだ第28節は逆転負けを喫した。2週間ぶりのリーグ戦となった湘南に対して、中2日の強行軍の川崎Fが20分先制するが、ペースを握ったのはコンディションの利があるホームチームだった。50分町野のPKで同点とされると、後半アディショナルタイムには途中出場の阿部浩之に逆転弾をズバリ。

今季の湘南も手強い。開幕戦ではサガン鳥栖を相手に5-1の大勝を飾った。プロ5季目のFW大橋祐紀が初のハットトリック、新加入のMF小野瀬康介もゴラッソを決めた。横浜FCを迎えたホーム開幕戦では開始早々に失点するも、17分小野瀬のロングパスを大橋が頭で落とし、エース町野が今季初ゴール。23分にはオウンゴールで逆転するも、83分にはCKから同点弾を決められると、2分後に町野が倒されてPK獲得かと思われたが、その前にオフサイドがあり相手ボールに。両軍は最後までゴールに迫るも、ゴールラインは割らせず2-2で勝点を分け合った。

果たして、川崎Fが昨季の悪夢を払拭するのか、湘南が返り討ちにするのか。『明治安田J1』第3節・川崎F×湘南は3月4日(土)・等々力陸上競技場にてキックオフ。チケットは予定枚数終了。試合の模様はDAZN、NHK BS1にて生中継。