注目の上位対決である。『明治安田生命J1リーグ』第9節、首位を走るヴィッセル神戸に逆転勝利を飾った3位横浜F・マリノスが、2位名古屋グランパスを迎え撃つ。
それにしても前節は見事だった。横浜FMは19分に守備の連係ミスから先制点を献上すると、28分には左からのクロスをFW大迫勇也にヘッドを決められて0-2。厳しい状況に追い込まれたが、5分後に右ウイング水沼宏太の後ろからのスルーパスをFWアンデルソン・ロペスが冷静に左足で流し込んで1-2。これで空気が変わった。前半終了間際には水沼のマイナスのパスをボランチ渡辺皓太が右足を振り抜き、絶妙なコントロールショットをズバリ。試合を振り出しに戻した。
後半早々、神戸のハイプレスから大迫がゴールネットを揺らすも、VAR判定の末オフサイドに。その後は互いに好機を作りながらも得点には至らず。そんな中迎えた82分、途中出場のヤン・マテウスのクロスをA・ロペスが巧みにヘディングで合わせてゴール。その3分後、右ウイング武藤嘉紀がアーリークロスからヘディングシュートを放ったがポストに嫌われ、横浜FMが敵地で3-2の逆転勝利を収めたのだった。
ケヴィン・マスカット監督が「彼はチームのパフォーマンスを出してくれた。本当に素晴らしいパフォーマンスをしてくれた。それまでの質が高かったので、2点は彼にとってボーナスみたいなもの」とA・ロペスを称えれば、当の本人は「今日の試合は王者のメンタリティを持って戦えた。2点ビハインドがあったが、全員が諦めず最後まで戦って勝点3を掴んだ。チーム全体を称えたい」とチームの勝利だと強調した。
一方の名古屋は湘南ベルマーレを相手に2点のリードを守り切れなかった。2-1で迎えた75分カウンターからFWマテウス・カストロのシュートはディフレクションしてゴールとなり勝負ありと思われたが、VARサポートが入りカウンターに入る前にペナルティエリア内でファウルを確認。ゴールは取り消され、さらにPKを決められて同点となった。悔しい2-2に終わった長谷川健太監督は「いろんな意味で納得できないが、もう終わったこと。次に向けてしっかり準備しないといけない」と悔しさを噛み殺した。
リーグ戦での通算対戦成績を振り返ってみると、横浜FMが26勝15分23敗とやや勝ち越しているにとどまっているが、過去5試合では横浜FMが4勝1敗と分がいい。昨季も第12節はホームで2-1の逆転勝利、第31節は敵地で4-0の完勝劇で横浜FMがダブルをマークした。
果たして、横浜FMがトップ2に連勝するのか、名古屋が第11節・神戸戦に向けて白星で勢いを付けるのか。『明治安田J1』第10節・横浜FM×名古屋は4月29日(土・祝)・日産スタジアムにてキックオフ。当日は無料で楽しめるエア遊具や巨大遊具ロード、ゴーカートなど子ども向けアトラクションが多数登場する。チケットはJリーグチケットにて発売中。試合の模様はDAZNにて生中継。