5月1日、『大相撲五月場所』の番付が発表された。東の関脇として臨んだ『三月場所』で12勝を挙げ、本割、優勝決定戦で大栄翔を連破し見事初優勝を遂げた霧馬山は2場所連続で東の関脇に座り、大関取りに挑むことになる。東の小結で臨んだ『一月場所』は11勝。大関昇進の目安となる直近3場所で「33勝」には今場所10勝で届くことになる。
両国国技館での記者会見に臨んだ霧馬山は「大関はすごく大きい山。チャンスはなかなかこないと思うので、最後と思ってやっていきたい。今場所決めたい」とキッパリ。
決めたい理由がある。6月3日(土)には兄弟子である部屋付きの鶴竜親方の『引退断髪披露大相撲』が控える。霧馬山は同郷の兄弟子の最後の花道に大関として花を添えたいのだ。
『三月場所』は2日目正代に黒星を付けられ、序盤は4勝3敗と優勝を全く意識しない中、逆転で賜杯を手繰り寄せた。1横綱の照ノ富士は3場所連続で全休、1大関の貴景勝は胸を合わす前の7日目に途中休場となった。照ノ富士は『五月場所』に照準を合わせて汗を流し、綱取りの場所から一転カド番で迎える貴景勝はしこ名の下の部分を「光信」から本名の「貴信」に改名し、心機一転窮地からの脱出を図る。
賜杯を争うライバルはまだまだいる。関脇には4人が名を連ねる。先場所優勝争いをリードした大栄翔は3場所連続三役ではないものの、『一月場所』は西前頭筆頭で10勝、先場所は12勝と、今場所の活躍ぶりによっては大関取りの機運が高まるはず。豊昇龍は4場所連続関脇として臨んだ先場所は10勝をマークし、今場所も二ケタを続けて大関昇進の足場を固めたいところ。新関脇となった若元春は史上4組目となる兄弟関脇を達成。先場所を途中休場し、右ひざの手術を行った弟・若隆景の留守を預かる心積もりである。小結にはその若隆景とともに、琴ノ若と元大関の正代が名を連ね、前頭筆頭には昨年の『十一月場所』優勝の阿炎が続き、9場所ぶりに幕内復帰を果たした大関経験者の朝乃山は前頭14枚目から虎視眈々と上位を窺う。
まさに群雄割拠の『大相撲五月場所』である。ライバルがひしめく中、霧馬山は大関昇進をターゲットに定めて一日一番を積み重ねていく。果たして、1横綱1大関は今場所終止符を打つのか、それともに10場所連続で優勝力士が入れ替わるのか。『五月場所』は5月14日(日)・両国国技館にて初日を迎える。チケット発売中。