(写真左より)酒井宏樹、興梠慎三、西川周作(浦和レッズ) (C)2023 Asian Football Confederation(AFC)

3度目の戴冠から4日、浦和レッズがアジア王者として埼玉スタジアム2002のピッチに立つ。アルヒラルとのホーム&アウェイでの『AFCチャンピオンズリーグ2022』決勝があり、消化できなかった『明治安田生命J1リーグ』を戦うため、勝利の美酒に浸る間もなく、強行軍が続くのだ。

それにしても、5月6日の集中力は見事だった。立ち上がりからボールを握り、好機を伺うアルヒラルは時間の経過とともにゴールへの圧力を高める。21分にFWミシャエウがミドルを放てば、守護神・西川周作がファインセーブ。すると30分浦和があわやの一撃を返す。自ら入れたスローインから右SB酒井宏樹がクロスを放つと、CF興梠慎三がジャンピングボレー一閃。シュートは惜しくもバーを叩いた。その後もアルヒラルは攻め手を緩めない。35分MFカンノのペナルティエリア内のシュートは枠をとらえず、42分MFアンドレ・カリージョのミドルは西川の好セーブで阻止。

後半早々に待望のゴールが生まれた。48分ハーフウェイライン付近のボランチ岩尾憲のFKをCBマリウス・ホイブラーテンが頭で折り返すと、ゴール前に興梠が飛び込むもわずかに届かず、しかし、ファーのカリージョが痛恨のオウンゴール。その瞬間、5万3374人が集った埼スタが爆発した。後半は守備で集中を切らさない浦和がカウンターから追加点を狙いながらもお互いに決定打は打てず。終盤後のないアルヒラルが猛攻を仕掛けるも、大音量の「We are REDS!」が鳴り響く中、西川が至近距離からのシュートもシャットアウト。浦和が粘って耐えて3度目のアジア王座を手繰り寄せたのだった。

大会MVPに選出された酒井は「日本に戻ってきてから『ACL』をひとつの目標にしてきたので、目標を達成できたことを幸せに思う」と喜びを表しつつ、試合内容については「アルヒラルとの差はあった。謙虚にこの差を埋めていきたい」と満足しなかった。身体を張った主将は足を痛めた模様。これまで「『ACL』決勝まではできるだけメンバーを替えずに戦っていきたいし、あまり実験的なことはしたくない」と常々口にしていたマチェイ・スコルジャ監督が、今後の過密日程をどんなメンバーで臨むか興味深い。

相手となるサガン鳥栖はGWに連敗を喫し、15位まで順位を落としている。大一番を終えたばかりのアジア王者を叩き、浮上のキッカケを掴みたいところだろう。

リーグ戦での通算対戦成績を振り返ってみると、浦和の8勝7分7敗とほぼ互角の展開。過去6シーズンの戦いを見ると4勝4分4敗と全くの五分の星。対鳥栖で未だ連勝のない浦和としては昨季第32節の2-1に続き、初の連勝をマークしたい。

果たして、アジア王者が勝点3を積み上げるのか、鳥栖が連敗を2で止めるのか。『明治安田J1』第10節・浦和×鳥栖は5月10日(水)・埼スタにてキックオフ。チケット発売中。試合の模様はDAZNにて生中継。