内蔵SSD市場において、1GBあたりの単価(以下、GB単価)の下落が止まらない。こうした動きを受けて平均容量は右肩上がりに推移、1TBに近づいていることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかとなった。

まず、直近3年における内蔵SSDのGB単価の動きをみていくと、2020年4月は14.98円、以後月を追うごとに下落し、同年12月は12.37円だった。21年5月にかけて13.61円まで上昇したが、再び下降に転じ22年1月に12.32円、同年4月は13.96円で遷移した。内蔵SSDのGB単価は周期的な変動を繰り返しつつ、徐々に下落している。しかし22年年末や23年年初は、今までの周期的な動きとは異なり、GB単価が上昇に転ずることはなくそのまま続落。23年3月にはついに10円を下回る9.97円、翌4月は9.23円と更に下落している。

次に、GB単価が周期的に動いていた時期の平均容量の推移をみていく。毎年4月の容量はそれぞれ、20年の580.99GB、21年の671.17GB、22年の746.18GBと年を追うごとに約100GBずつ大容量化していた。しかし、GB単価の周期的な動きが崩れた後、大容量化は一気に進み、23年に999.62GBに達した。GB単価急落と急激な大容量化は関連していることは明らかだ。

世界的なパソコンやスマートフォンの需要鈍化により、内蔵SSDは供給過多に陥ったことが、GB単価下落の大きな要因だ。このGB単価急落がメーカーの収益を圧迫しており、生産調整が行われるとの報道もあることから、近いうちにGB単価は上昇に転じると考えられる。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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