鈴木優磨(鹿島アントラーズ) (C)J.LEAGUE

国立競技場での記念試合を前に、よくぞここまで持ち直した。1か月前、5人先発を入れ替えて首位・ヴィッセル神戸に挑んだ鹿島アントラーズだが、1-5の完敗。泥沼の4連敗で『明治安田生命J1リーグ』15位に沈んだ。

『JリーグYBCルヴァンカップ』の逆転負けを挟んだ第9節では鈴木優磨の2トップのパートナーに垣田裕暉、右MFに名古新太郎、左MFに仲間隼斗と攻撃陣3人を今季初先発で起用した。3分鈴木の2試合連続となるヘディング弾で幸先よく先制すると、26分にはゴール前での垣田と鈴木のパス交換から浮き球のラストパスを垣田がダイレクトで左ボレーを振り抜いて追加点。守備ブロックを敷いてそのまま2-0でゲームを締めて、5試合ぶりとなる無失点で連敗を止めた。

続くガンバ大阪戦は後半4ゴールを畳み掛けて完勝すると、第11節・北海道コンサドーレ札幌戦、第12節・セレッソ大阪戦は2試合連続の1-0。常勝軍団の片鱗を覗かせた。神戸戦から4試合連続ゴールの鈴木とともに、屈辱の神戸戦から先発復帰したCB関川郁万が活躍。植田直通とともに3試合連続クリーンシートの原動力となっている。守備だけではない、C大阪戦で関川はCKのこぼれ球を頭で押し込んだ。その関川に定位置を譲った昌子源も試合終盤の守備固めの役割を全うしている。

4連敗の後、4連勝した岩政大樹監督は「昌子、キム・ミンテを含め、今年はレベルの高い競争ができている。その中、植田直通の安定したハイパフォーマンス。思ったより早く関川も成長している。一度源が戻ってきた時に外したが、その時の関川の取り組みが素晴らしかった。精神面の成長がピッチ上に表れている」とCB陣を評価した。順位も5位まで上げてきた。鹿島は国立での『Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ』を最高の状態で迎える。

対するは名古屋グランパス。30年前、歴史的開幕戦で対峙した相手である。ここまでわずか1敗、ここ9試合負けなしで3位に付けるものの、4勝5分とドローが先行するのが気になる。8失点はリーグ最少タイだが、開幕5戦で1失点だった名古屋のポテンシャルからすれば直近5試合で6失点は決して満足のいく数字ではないだろう。前節G大阪戦でのウノゼロを契機に再び堅守速攻で白星を並べたい。

リーグ戦での通算対戦成績を振り返ってみると、鹿島が36勝5分23敗と勝ち越すが、過去3年間は2勝2分2敗の全くの五分。昨季はこのカードで珍しい2引け分けに終わった。

果たして、鹿島がアニバーサリーマッチで5連勝を飾るのか、名古屋が勝利で10戦負けなしとするのか。『明治安田J1』第13節・鹿島×名古屋は5月14日(日)・国立にてキックオフ。オープニングセレモニーではRADWIMPSがJリーグ開幕30周年記念で制作したアンセム「大団円」をライブで初披露、ラッパーのZORNも参加する。チケット発売中。試合の模様はDAZN、NHK総合にて生中継。