いよいよ『大相撲五月場所』が5月14日(日)に初日を迎える。今場所は焦点が多い。まず第一に横綱・照ノ富士と大関・貴景勝が揃って出場する。照ノ富士は両膝の古傷を痛めて昨年の『九月場所』10日目に休場、その後3場所連続で全休した。横綱不在の土俵を預かった貴景勝も綱取りのかかった『三月場所』7日目から左膝内側半月板損傷のため休場を余儀なくされた。
1横綱1大関が揃うからと言って、上位陣が安泰とは言えない。照ノ富士も貴景勝も休場明けの不安が付きまとう。特に横綱は4場所ぶりの出場である。膝がどれだけ回復しているのか、また日々の取組にどれだけ耐えられるか、懸念がある。初日、照ノ富士は小結・正代、貴景勝は前頭筆頭・阿炎に胸を貸す。
横綱、大関を脅かす力士たちは枚挙にいとまがない。小結で迎えた『一月場所』で11勝、関脇として臨んだ『三月場所』で12勝を挙げ、本割、優勝決定戦で大栄翔を連破し見事初優勝を遂げた霧馬山は大関取りに挑むことになる。三役で直近3場所通算33勝のノルマまであと10勝である。場所前の記者会見に臨んだ霧馬山は「チャンスはなかなかこないと思うので、今場所決めたい」とキッパリ。
優勝候補の関脇はあと3人いる。先場所惜しくも優勝決定戦で敗れた大栄翔は前頭筆頭で『一月場所』は10勝、小結で『三月場所』は12勝、直近3場所は三役ではないものの今場所の活躍ぶりによっては大関取りの機運が高まるだろう。豊昇龍は4場所連続関脇として臨んだ『三月場所』で10勝をマークしている。史上4組目となる兄弟関脇を達成した新関脇・若元春も先場所は11勝を挙げて自信を付けている。4人の関脇はそれぞれ霧馬山は前頭筆頭・翠富士、豊昇龍は前頭二枚目・高安、大栄翔は前頭三枚目・錦富士、若元春は前頭二枚目・遠藤と初日に対峙する。
小結に名を連ねる琴ノ若と元大関の正代、昨年の『十一月場所』を制した阿炎も虎視眈々。そんな中朝乃山の存在を忘れるわけにはいかない。9場所ぶりに幕内復帰を果たした大関経験者は前頭14枚目から上位をうかがう。朝乃山が賜杯を手にしたのは2019年の『五月場所』である。2020年の『三月場所』で大関取りを決めたのだった。2021年『五月場所』では新型コロナウイルス対応ガイドライン違反で12日目から休場、場所後1年間の出場停止となり、番付を三段目二十二枚目まで落とした。昨年の『七月場所』から朝乃山は一番一番を積み重ね、前頭十四枚目まで戻ってきたのだ。朝乃山は初日に前頭十三枚目・千代翔馬との一番に臨む。
1横綱1大関を筆頭に優勝候補がズラリと並ぶ『五月場所』。5月14日(日)~28日(日)・両国国技館で繰り広げられる賜杯争いは見逃せない。チケットは予定枚数終了。連日NHK総合にて生中継。