5月1日に現役引退を発表した石川佳純が5月18日、引退会見を行った。3大会連続で『五輪』に出場し、3つのメダルを獲得。『世界卓球選手権』で8つのメダル、『全日本選手権』女子シングルス優勝5回を誇る石川は冒頭にこのようにあいさつした。
「5月1日に引退発表してから約2週間、改めてたくさんの方に支えてもらっていたんだと実感している。引退を決意した理由は自分自身やり切ったと思えたから。今日は本当に晴れやかな気持ち、笑顔で今日を迎えられて、うれしく、ありがたく思っている。7歳で卓球を始めて23年間の現役生活で素晴らしい経験をさせてもらった。3大会連続で『五輪』でメダルを獲得し、『世界選手権』ミックスダブルスでは表彰台の一番上に立った。あの景色はこれまでもこれからも忘れられない。そして『全日本選手権大会』シングルス、どの優勝も忘れられないが、5年ぶり5回目の優勝が忘れられない。諦めない気持ちの大事さを改めて感じた。支えてくれたスポンサー、そしてファンに感謝の思いを伝えたい。うれしい時は一緒に喜び、苦しい時に寄り添ってもくれる素晴らしいファンに恵まれて幸せ。自分が何を返せたかわからないが、コートに立った時はその日のベストを尽くすことをやってきたつもり。その姿を見て少しでも勇気や元気を届けられていたらうれしいです」
石川は引退を決意した経緯について、次のように説明した。
「3月の『WTTシンガポールスマッシュ』が終わった段階でその時に次の2大会で最後にしようという決意を固めた。ハッキリと引退を決意したのはその時。今年に入ってからは毎試合これが最後になるかもしれないという気持ちでプレーしてきた」
石川は大会前に『WTTチャンピオンズマカオ』で引退すると公言しなかった理由についても明かした。
「最後まで勝負の場で勝負をしたいという思いがあり、試合前に言うことはなかった。世界で戦うためにレベルアップしなくてはいけないという中、これ以上100%、120%ギアを上げるのは苦しいと思い、現役引退を決めた」
印象に残っているゲームを聞かれると。
「ひとつにまとめられないが、ひとつ目は『ロンドン五輪』のメダル決定となった準決勝・日本×シンガポール。ゾーンに入ったくらい調子よく、今でも鮮明に覚えている。それに2017年の『世界選手権』でミックスダブルスで世界一になった試合。1-3から我慢我慢でもぎ取った試合で印象深い」
今後の目標を問われた石川はこう答えた。
「卓球の魅力を知ってほしいと思い『47都道府県サンクスツアー』をしている。全国各地の子どもたちに卓球の魅力を伝えていきたい。まだ40か所残っているので。あと今まで勉強することがなかったので、勉強にチャレンジしていきたい。具体的には決まっていないが、スポーツ分野のことや『サンクスツアー』で人に教えることの難しさを感じているので、いろいろ勉強できればと思っている」