国立競技場で白星を飾ったチーム同士の対決である。『Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ』で名古屋グランパスを2-0で下した鹿島アントラーズが、記念試合で川崎フロンターレに2-1で勝利したFC東京を県立カシマサッカースタジアムで迎え撃つ。
5月12日・国立でFC東京はリーグ戦の連敗を2、多摩川クラシコの連敗を7で止めた。12分右SB長友佑都のクロスが逆サイドに流れると、ボールを拾った左SB徳元悠平が切り返しから強烈な右一閃。5万6705人の度肝を抜いた。25分には徳元の低く速いクロスにインサイドハーフ安部柊斗が飛び込んで追加点をマーク。前半の内に川崎フロンターレが1点返し、後半早々にインサイドハーフ脇坂泰斗が一発退場となるも、川崎Fは引かず。その後は互いにチャンスを作り出すもゴールには届かず。FC東京が川崎から5年ぶりの勝利を奪ったのだった。
2日後の国立では5万6020人の前で鹿島が盤石の試合運びを披露。12分に右CKからのFW鈴木優磨のヘディング弾はVARで取り消しとなるも、29分再びMF樋口雄太の右CKを今度はファーに流れてヘッドをズバリ。前半終了間際には鈴木のクロスに左サイドハーフ仲間隼斗が右ボレーをダイレクトで放つも枠をとらえず。しかし、強度の高い守備で名古屋に決定機も作らせない。84分には途中出場のFW知念慶がGKとの1対1の好機を得るも、ランゲラックが好守。しかし、味方が早いチェックでゴール前にボールがこぼれると、相手3人に囲まれながら知念が左足を振り抜いて試合を決めた。
クラブ初となる5試合連続完封勝利をマークするも岩政大樹監督は「そういう記録をことさら扱うとだいたい止まるというのが経験上あるので、あまりコメントしたくない」としつつ、「まだまだという意識しかない」と上を向いた。
また記念試合の勝利の感想を求められた鈴木も「アントラーズに特別な試合はあまりない。どの試合も同じモチベーションで臨むのが僕が知っているアントラーズで、僕が見てきた先輩たちの姿。なので常にこのパフォーマンスを出していけるようにしたい」とキッパリ。
両軍の通算対戦成績を振り返ってみると、鹿島が23勝8分12敗とリード。しかし、昨季はダブルを食らった。第16節は33分から20分間で効果的に3ゴールを積み重ねたFC東京が3-1、第31節は両軍合わせて32本のシュートの雨が降る中、84分安部の先制点が決勝弾となり1-0。その前5試合は鹿島が4勝1分、さらに6試合遡るとFC東京が5勝1分と偏った成績になるのが気になる。
果たして、鹿島が6連勝でさらに上位を伺うのか、試合間隔が2日長いFC東京が2連勝で中位脱出を図るのか。『明治安田J1』第14節・鹿島×FC東京は5月20日(土)・カシマスタジアムにてキックオフ。チケットは鹿チケ(Jリーグチケット)にて発売中。試合の模様はDAZNにて生中継。