怒涛の7連戦も後半戦へ突入する。中3日の浦和レッズが『明治安田生命J1リーグ』第16節で中7日の鹿島アントラーズを迎え撃つ。浦和は過密日程と強豪相手というふたつの試練を乗り越えることができるのか。
それにしても、5月31日の『明治安田J1』第11節・サンフレッチェ広島戦は見事だった。序盤は広島のハイプレスに苦しみボール回しでストレスを溜めるも、ならばロングポールを使って流れを変えようとした。しかし、広島優勢で前半を終え、後半早々に先制点を献上。50分インサイドハーフ川村拓夢のドリブルシュートをGK西川周作がセーブするも、インサイドハーフ森島司に詰められて万事休す。その後も重い展開が続くと、マチェイ・スコルジャ監督は67分に攻撃3枚替えで流れを変える。72分トップ下に回った関根貴大の横パスを受けたボランチ伊藤敦樹がゴール前へスルーパス、走り込んだ右SB酒井宏樹が右足を振り抜いて同点。その後もゴールへの圧力を高める浦和は90+2分、酒井がゴール前にボールを放ると左ウイングのリンセンが頭で折り返し、伊藤が左足を合わせて劇的逆転弾。これで逆転勝利は4試合目。まさに逆転のレッズである。
試合後、酒井主将が「1-1になるとこのスタジアムは何かが起きる雰囲気になる。相手からすれば、手強いチームになってきたと思う」と手応えを語れば、スコルジャ監督も「試合に満足している。戦術的なタスクをしっかりと実行できたこと。今日はベンチの選手たちが勝利のキーとなった」と選手たちを評価した。
一方の鹿島は5連勝後に2試合連続ドローと足踏みが続く。第14節・FC東京戦は6分に幸先よくFW垣田裕暉のヘディング弾で先制するも、28分痛恨のPKで追い付かれるとそのままスコアは動かなかった。続く第15節、ボールと主導権を握るサガン鳥栖が27分先制すると、鹿島は34分FKの作り直しから守備的MFディエゴ・ピトゥカが長いボールをゴール前に入れFW鈴木優磨がヘッドでつなぎ、右SH名古新太郎が頭で押し込んだ。70分にミドルシュートを決められて第8節以来の複数失点を喫しても、鹿島は諦めず。90+1分左SB安西幸輝のクロスを鈴木がヘディングでねじ込んで勝点1を持ち帰った。この勝点1を生きるかは次節次第である。
リーグ戦での通算対戦成績を振り返ってみると、鹿島が33勝12分19敗と勝ち越すが、浦和に苦手意識はない。2010年8月から鹿島戦は11戦負けなし。直近10試合の結果は鹿島の4勝3分3敗とほぼ互角である。昨季は2試合とも引き分け、2020・2021年はともに1勝1敗だ。
果たして、浦和が日程のビハインドを跳ね返して3連勝を飾るのか、中7日の追い風を受ける鹿島が再び白星街道に入るのか。『明治安田J1』第16節・浦和×鹿島は6月4日(日)・埼玉スタジアム2002にてキックオフ。チケット発売中。試合の模様はDAZN、テレ玉にて生中継。