主人公の千早を演じた広瀬すず

 映画『ちはやふる-結び-』の公開初日舞台あいさつが17日、東京都内で行われ、出演者の広瀬すず、野村周平、新田真剣佑、上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希、優希美青、佐野勇斗、清原果耶、松岡茉優、賀来賢人と小泉徳宏監督が登壇した。

 競技かるた(百人一首)に打ち込む高校生たちの青春を描いた人気コミック「ちはやふる」を実写映画化した本作は、2016年に公開された『上の句』『下の句』の続編で、完結編となる。

 撮影も含めるとおよそ3年間『ちはやふる』に関わってきた広瀬。まさに“卒業”の時を迎えた現在の心境を問われると「正直実感はないですが、寂しいとかを通り越して、ある意味とても気持ちがいいです」と晴れ晴れとした表情を見せた。

 また「自分の中では、何となく始めたお仕事だったけど、この作品と出会い、やりたいことを見付けたかな…と思う瞬間があった」と語るなど、本シリーズの撮影が女優としての覚悟にもつながったと告白した。

 共演者とは深い絆で結ばれたようで「役を通り越して、ここにいる皆さんと仲間になれたことが、今の自分の支えになっています」と感謝を述べた。

 この日は、小泉監督がキャスト全員に“卒業証書”を手渡しするサプライズも実施された。間もなく二十歳になる広瀬に対して、小泉監督は「これから恐らくレジェンド女優になっていくだろう、初期のあなたとこのタイミングで出会って主演作品を3本撮れたことは私の誇りです」とメッセージを送った。

 続けて「ちょっと心配なのは、誰もが驚く才能とか、直感力を持っているんだけど、それだけである程度いいところまで突っ走れてしまうところ。もしかしたらいつか壁にぶつかるときが来るかもしれない。そんなときは、この作品を見て初心に戻ってほしい。それで駄目なら直接俺のところに来て。その時は必ず力になります」と約束した。しみじみと聞き入った広瀬は、聞き終わると小泉監督と熱いハグを交わした。

 最後のあいさつで広瀬は「この3年間の私たちの全てを懸けました。本当にこの作品が大好き。自信を持ってお届けできる映画になりました。今日から、手の届かないところまでこの映画が広がっていったらうれしいです」と笑顔で締めくくった。