ラ・パットーラのおすすめメニューを実食
お客様への最高のサービス、その中にはもちろん料理へのこだわりも含まれる。
同店のコンセプトは「できたての手作りの味」を提供し、「リーズナブルでサービスのよい居心地よさ」だ。
オススメメニューの紹介をお願いしたところ、立花氏がチョイスしてくれたのは女性に人気のこちらの二品。
・「ハムピー」の愛称で人気の生ハム&ルッコラのピザ(924円)
生地はパリパリ。シンプルなだけに、素材の味が生きたピザ。
・ナスのトマトソース メランザーネ(819円)
パスタは本場イタリアでも人気の高品質の小麦を使用した「バリラ」。ツルツル麺で、味が良く癖がないのが特徴。いただいた料理はナスがジューシーでトマトソースの酸味がちょうどよく、さっぱりとした味わい。
拡大画像表示
「使ってみて」と勧められた自家製の唐辛子オリーブオイル漬け「ペペオイル」は、タバスコの酸味が苦手なお客様の声から生まれたそう。筆者も同意見なので、これは嬉しい!
「高い食材を使えば美味しい料理ができるのは当たり前。気軽に食べられる価格の中で、お客様にいかに満足していただくか」。
「ラ・パットーラ」は、オイルも自家製にこだわるなどそのためのひと手間は惜しまない。レストラン3店舗経営の利点を生かし良い素材を大量仕入れでコストを抑えることもできる。だから、手ごろな価格で、クオリティの高い料理を提供することができるのだ。
料理を提供するのは店長。立花氏は接客メインだという。
「従業員には、自分の好きなことを高めなさいと言っている。僕は接客で120点。店長は料理で誰にも負けないよう120点をとりなさいと。」
拡大画像表示
彼の堂々たる話し方からは、順調な経営ぶりが伺える。しかし、10年の間には、リーマンショックや東日本大震災と、その後の計画停電など営業もままならない時もあった。そんな時、スタッフには、「いつでも営業できるように準備をやれ」と話していたという。
一般的に飲食店の基本とも言われる「Q(Quality・品質)S(Service・サービス)C(Clealiness・衛生)」。
品質とサービスが提供できない環境の中、せめて衛生面だけは徹底し、次のお客様を向かえる準備をする。営業はできなくても、常にお客様のことを考えた。
利益のない状況の中スタッフの雇用を継続することは、数字上マイナスでしかない。それでも、彼は蓄えを切り崩しスタッフの雇用を守った。「楽しく働けなければ世界一とはいえないでしょ?」と彼は言う。
拡大画像表示
「お客様の笑顔」を守り、そして「お客様を笑顔にさせるスタッフ」を何があっても守りぬくこと。彼にとって、それが楽しく働くことのできる「世界一のレストラン」なのだ。「世界一」は100点満点中、何点? という問いには、「30点」と答えた。
「みんな頑張っているからぎりぎり合格ラインだけど、まだまだお客様のことを考えなくてはいけない。人を育てるという点ではまだまだ。もっとレベルを上げられるよ」とより高みを目指していることがうかがえた。