世間には本当にたくさんの種類の缶コーヒーが売られている。これだけ種類があって、さらに毎月のように次々と新商品が発売される飲み物は、ちょっと他には見当たらない。そう、缶コーヒーはもはや“国民飲料”と呼んでも差し支えないほどの存在になっているのだ。
このコーナーでは、そんな多種多様な缶コーヒーを、研究員の独断と偏見でレビューしていく。このレポートが、少しでも皆さんの缶コーヒーライフのお役に立てれば幸いだ。
今週のテーマ「ミルクにこだわったまろやかカフェオレ缶コーヒー3本飲み比べ」
メーカー:JT
商品名:ROOTS クイーンズラテ
「まろやかミルクが活きた」とある通り、かなりミルク成分が多めのカフェオレ。どちらかというとコーヒーの方が添え物という感じで、体感的にはミルク:コーヒー=8:2くらいである。一方で「甘さ控えめ」との通り、カフェオレの中では甘味は少ない方。結果的に「コーヒー風味のさっぱりミルク」といった印象に落ち着いている。渋みも苦味もまったくなく、非常に飲みやすい一方で、どうしてもパンチ力不足な点は否めない。PR文にもあるようにどんな場面、人にも安定してオススメできるが、欲を言えばもう少しミルクのコクが欲しかったなあといったところか。この透明感ある味わいは、芸能界でいうなら小雪の持つ存在感に近い。どんな役でもスッと入り込み、自分のものにする演技力を持ちながらも、決して主張しすぎないまろやかな雰囲気。それはまで、ミルクとコーヒー、そのどちらでもない中間の存在たるカフェオレのようだ。
【成分(100gあたり)】
エネルギー(kcal) | |
たんぱく質(g) | 0.6 |
脂質(g) | 1.3 |
炭水化物(g) | 4.1 |
ナトリウム(mg) | 20.2 |
糖類(g) | 記載なし |
コク | ★★★☆☆ |
キレ | ☆☆☆☆☆ |
香り | ★★★☆☆ |
甘味 | ★★☆☆☆ |
苦味 | ☆☆☆☆☆ |
メーカー:コカ・コーラ
商品名:ジョージア エンブレム 深煎りカフェオレ
一口飲んだだけではっきりとわかるミルクのコク……いや、これはミルクはミルクでもコーヒーフレッシュの味わいだ。カフェオレ好きなら一度はブラックコーヒーが真っ白になるほどにコーヒーフレッシュを入れてみたいと思ったことがあるはず。しかし、コーヒーフレッシュは通常、一つか二つ程度にとどめるもの。コーヒーが真っ白になるまでコーヒーフレッシュを注ぐのは、言うなればカルピスを原液で飲むのに匹敵する“禁忌”なのである。この「エンブレム 深煎りカフェオレ」は、そんな禁忌に果敢にも挑戦した勇者だ。……まあ実際のところは別にコーヒーフレッシュを使っているわけではないのだろうけど、ここで重要なのは“そう思える”ということなのである。常識にとらわれず、やりたいことを貫き通すその姿勢は、例えるならエジソンのようでもある。ちなみに砂糖は不使用なので甘いのが苦手な人にもオススメだ。セブン-イレブン限定商品。
【成分(100gあたり)】
エネルギー(kcal) | 18 |
たんぱく質(g) | 0.8 |
脂質(g) | 0.9 |
炭水化物(g) | 1.6 |
ナトリウム(mg) | 37 |
ショ糖(g) | 0 |
コク | ★★☆☆☆ |
キレ | ★☆☆☆☆ |
香り | ★★★☆☆ |
甘味 | ★★★☆☆ |
苦味 | ★☆☆☆☆ |
メーカー:サントリー
商品名:BOSS 缶珈琲職人 炭焼ミルク珈琲
名前から予想はしていたが、飲んでみると想像以上に炭焼きだった。この炭焼き特有の苦味と香ばしさが好きかどうかで好みははっきり分かれると思うが、そもそも嫌いな人はパッケージを見ただけで手に取らないだろうから、特に問題はないだろう。さらに、炭焼きの風味に隠れるようにして、ミルクのコクと甘味がじわっと押し寄せてくる二段構えの隙のない味わいである。が、とにかく炭焼きの香りが強烈でインパクトがあるため、せっかくのまろやかなミルク分が十分に打ち出しきれてないのがやや残念だ。コク、苦味、香りのすべてが主張し合う個性のぶつかり合いは、例えるなら安田大サーカス。強い個性が一つになることでどのような化学反応を起こすのか、ぜひ一口飲んで体感してみてほしい。
【成分(100gあたり)】
エネルギー(kcal) | 42 |
たんぱく質(g) | 1.1 |
脂質(g) | 0.5 |
炭水化物(g) | 8.3 |
ナトリウム(mg) | 55 |
糖類(g) | 記載なし |
コク | ★★★☆☆ |
キレ | ★☆☆☆☆ |
香り | ★★★☆☆ |
甘味 | ★★☆☆☆ |
苦味 | ★★★★☆ |