安部柊斗(FC東京) (C)J.LEAGUE

4日前に延長、PK戦まで戦い抜いた両軍が『明治安田生命J1リーグ』第21節で激突する。7月12日の『天皇杯』3回戦、FC東京は東京ヴェルディとの12年ぶり東京ダービーに前節から2人代えただけのほぼベストメンバーで臨み、鹿島アントラーズは昨年準決勝のリベンジの機会となったヴァンフォーレ甲府戦にリーグ戦から6名入れ替えて対峙した。

両試合とも死闘と呼ぶにふさわしいゲームとなった。120分間、互いに譲らず1-1でPK戦へ突入。9人全員が成功したFC東京が9-8でラウンド16進出を決めれば、キッカーが2巡目13人目まで蹴り合った鹿島は10-11でリベンジに失敗。3回戦で姿を消したのだった。

『天皇杯』で明暗を分けた両軍は、現状も対照的である。FC東京はピーター・クラモフスキー監督が就任してから2勝1分、3試合連続クリーンシートで後半戦に入って巻き返してきた。CBエンリケ・トレヴィザンがインテンシティの高さを発揮し、相手FWに入ったボールをことごとく潰しにかかる。最終ラインだけではない。あらゆるポジションで運動量と攻守の切り替えを徹底、高い位置でボールを奪えば、ショートカウンターをズバリ。フィニッシュを担うのは第14節・鹿島戦から7戦7発と絶好調のディエゴ・オリヴェイラである。

負けられない理由がある。本日14日、クラブはMF安部柊斗がベルギー1部RWDモレンベークに完全移籍すると発表した。第21節・鹿島戦は安部のラストゲームとなる。アカデミー出身の安部を勝利で送り出したいという思いは選手・スタッフ・サポーターとも同じだろう。

一方、鹿島は5月20日・FC東京戦で5連勝が止まると、その後1勝5分1敗と停滞が続く。8勝6分6敗・勝点30の6位と上位に踏みとどまっているが、7勝5分8敗の11位のFC東京とは勝点4差しかない。前節も悔しい引き分けとなった。ミヒャエル・スキッベ監督をはじめ複数の主力選手が体調不良となり、18名のメンバーも試合当日まで決まらないスクランブル状態のサンフレッチェ広島を相手に1-1。鹿島は3試合白星なしに終わった。喫緊の課題は得点力不足解消だ。5試合ゴールから遠ざかっているFW鈴木優磨の得点がほしいところである。

リーグ戦の通算対戦成績は鹿島が23勝10分12敗と勝ち越すも、ここ10試合では4勝2分4敗のイーブン。第14節も1-1で勝点1を分け合った。

果たして、FC東京が再び白星モードに突入するのか、鹿島が4試合にぶりに勝利を飾るのか。『明治安田J1』第21節・FC東京×鹿島は7月16日(日)・味の素スタジアムにてキックオフ。同試合は『明治安田生命 Day』として開催、先着2万名にFC東京オリジナルデザインの黒ボールペンをプレゼント。またハーフタイムに『FIREWORKS NIGHT supported by Paidy』を実施し、花火と照明の演出で真夏のナイトゲームを盛り上げる。チケットはチケットFC東京(Jリークチケット)にて発売中。試合の模様はDAZNにて生中継。