ホームルーター市場における販売数量前年同月比を算出すると、2022年9月以降前年を下回って推移していることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかとなった。

20年6月のホームルーター販売数量を「100.0」とした指数を算出したところ、21年1月に50.2と最低水準に落ち込んだ。同年8月末にそれまでホームルーターを取り扱っていなかったdocomoが「home 5G HR01」を発売すると、指数は一気に跳ね上がり、翌9月に199.7を記録。その後供給が追いつかず落ち込んだものの、22年の指数は120-140の間を推移した。新生活シーズンにあたる3月は、22年に219.0、23年は208.3と高い水準まで跳ね上がる。しかし、販売数量前年同月比では、22年9月以降前年割れで推移している。21年9月の「home 5G HR01」発売による市場規模の拡大が要因だ。

次に、キャリア別の販売数量シェアをみると、21年8月まではSoftBankが過半を占める一人勝ち状態だった。しかし、docomoは市場に参入すると53.7%までシェアを獲得し、SoftBankを突き放す。その後はdocomoとSoftBankが首位争いを展開している。UQ mobile/auは10-20%の間を推移している。

BCNが6月に実施したインターネット回線調査において、ホームルーターの所有率は1割程度だった。現状、家庭における固定回線は大半が光回線を利用しており、ホームルーターの利用者はあまり増えていないと言えそうだ。しかし、今後5Gエリアが広がり回線速度が向上するにつれ、利用者は増えていくだろう。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。