2019年1月の販売台数を「100.0」として、レコーダー市場の指数を算出したところ、23年6月の指数は29.7と市場規模は3分の1にも満たない水準まで縮小していることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかとなった。
19年1月から23年6月まで、レコーダー市場の販売台数を指数化した。すると、基点を上回ったのは19年9月、同年12月、20年12月の三回のみだった。そのうち、19年9月は翌月の消費増税に伴う駆け込み特需にあたる。20年12月には130.6と最も高い指数になったが、21年に入ると右肩下がりで推移。21年12月は89.8、22年12月は70.8と加速度的な落ち込みだ。23年は5月に29.5、6月に29.7と19年1月の3割にも満たない水準まで落ち込んでおり、厳しい状況に陥っている。
そこで、JEITA(電子情報技術産業協会)が毎月発表している、BDレコーダーの出荷統計をグラフ化してみた。すると、ほぼ同じような動きをしていることが明らかになった。ただし、各年12月と20年7-11月の出荷台数は跳ね上がっており、販売データとは乖離が目立つ。これは年末需要を高めに見積もっていること、20年7月から始まるはずだった東京五輪による需要増を見込んだ出荷台数となったと言えそうだ。21年11-6月も、一年延期した東京五輪での需要増を見込んだ高い出荷台数となっている。
このようにレコーダー市場が厳しい状況に陥っているのは、以前から記事でも取り上げているように、動画配信サービスや見逃し配信サービスが充実してきたことが挙げられる。加えてコロナ禍による視聴スタイルの変化が大きく影響している。レコーダーを接続するテレビ市場も厳しい状況になっていることを考慮すると、レコーダー市場が回復することは難しい。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。