「元夫と離婚したのは私が48歳、次女が就職で県外に出たタイミングでした。

ワンマンで家族の気持ちより自分の考えが正解だと思っている元夫は、長男や次女の就職先にも口を出し『そんな名前を聞いたこともない会社で大丈夫か』と失礼な言葉を平気でぶつけるので、最後まで嫌な思いをしましたね。

子どもたちはそんな父親にとうの昔に愛想を尽かしており、常に私の味方をしてくれていたのが唯一の救いでした。

『この人はもう変わらない。この子たちが出ていけばこんな人間とふたりで暮らしていかなければならないのだ』と現実を想像して戦慄したのが二年前、それから離婚に向けて動き出しました。

子どもたちの世話など何もしない元夫で、部活動や塾の送迎など全部ひとりでやる必要があった私は、ずっとパート勤務が限界の状態。

収入の額を見ればとても自立した生活は無理で、悩んでいるときに勤め先の本社から正社員登用のお知らせがありました。

同じスーパーで長年働いている私は良く言えばベテランで、簡単な試験と面接をクリアすれば正社員になれると知り、『これしかない』と奮い立ちました。