初恋の人に再会して結婚できた理由とは?
このように「初恋は実りにくい」ものですが、実際にゴールインしたカップルがいます。ただしこのカップルは、結婚するまでに紆余曲折がありました。一体何が起こったのでしょう。
アーティストのユウジさん(53歳・仮名)は48年越しの初恋を実らせた経緯を次のように語ります。
「僕が6歳のときの初恋がユリさんです。2歳年下のユリさんは資産家の娘で、僕の家は貧乏でした。
近所の子どもたちと一緒に遊んだりするうちに仲良くなりましたが、ユリさんは私立の小学校に通い、僕は地元の公立小学校とそれぞれ分かれてしまったんです」
淡い思い出の初恋の相手と再会したのは、それから20年後。バイトをしながらアーティストとして少しずつ頭角を現した頃に、出版社の編集アシスタントをしていたユリさんと再会したのです。
ほどなく交際に発展し、結婚の約束をしたのですが、ユリさんの両親に大反対されて、別れることになったとか。
「それからすぐにユリさんは親のすすめで見合いをして、結婚したと風の便りでわかりました」
その後ユウジさんは仕事に没頭し、自分の才能だけで生活できるようになると、魅力的な女性と交際するようになります。しかし結婚には至らなかったそうです。
「40代後半になって、自分が結婚に縁がないだろうとわかると、後輩の育成にも尽力したいと思うようになりました。そして50歳の時に、後輩の個展でユリさんと偶然に再会したんです」
ユリさんは子育てが終わって、第二の人生を模索していた頃でした。親がすすめて結婚した夫との関係は冷え切っていて、ユウジさんとの結婚を大反対したユリさんの両親が共に亡くなっていたそうです。
「僕の初恋は、ユリさんの子どもたちの応援で実りました。円満離婚したユリさんと僕の家で同棲してから、結婚しましたよ」
45年越しの初恋は、離れている間に成長した二人が再会した時に「好き」という感情を持ち合わせていたのはもちろんのこと、価値観や美意識などをすり合わせていこうとする気持ちも一緒だったから、実ったといえるでしょう。