次が大事である。『明治安田生命J1リーグ』は残り6試合で勝点6差。まだ優勝争いは何が起こるかわからない。今節、首位ヴィッセル神戸と2位横浜F・マリノスの首位攻防戦もある。3位浦和レッズとしては、何かを起こすためにここで勝点をきっちり詰めておきたいところ。
前節、ピンチを跳ね返した。17分ホームのガンバ大阪に先制点を献上するも、29分にはCFホセ・カンの同点弾でゲームを振り出しに戻した。しかし、勝負の後半、その立ち上がりにラフプレーで両軍がヒートアップ。VARチェック、オンフィールドレビューを経てカンテが一発退場となり、浦和は40分以上、数的不利に陥ったのだった。
カンテ退場の緊急事態にマチェイ・スコルジャ監督はすぐさまブライアン・リンセンと高橋利樹のアタッカー陣を投入。すると68分にリンセンから中央の岩尾憲、さらに右サイドの伊藤敦樹とつないだボールを高橋が頭で押し込んで逆転。85分にはG大阪のバックパスをカットしたトップ下・安居海渡のラストパスをリンセンが叩き込んで勝負あり。浦和が『JリーグYBCルヴァンカップ』準々決勝を含め、G大阪戦4連勝をマークしたのだ。
試合後、J1初ゴールとなる決勝弾を決めた高橋は「チームとして勝てたことはすごくうれしいけど、個人としてはホッとしている気持ちの方が強い。チームとしても大事な試合が続いていたし、個人としても一試合一試合試されている立場なので、なんとしても結果がほしかった」と安堵の表情を見せた。
直近6試合で4ゴールを挙げているカンテは2試合の出場停止となるが、スコルジャ監督は2トップの採用も示唆。数的不利の中でも結果を残したリンセン、高橋とともに3か月ゴールから遠ざかっている興梠慎三も調子を上げてきている。指揮官は最善の組み合わせをゲームまで模索すると言う。
対する横浜FCは18位湘南ベルマーレにわずか勝点1差の17位。J1残留争いの最中にいる。現在2連敗中だが、第22節・神戸戦2-0、第25節・横浜FM戦4-1、第26節・名古屋グランパス戦1-1などカウンターがハマった時の破壊力は十分。崖っぷちの戦いの中、横浜FCはあわよくば勝利、何が何でも勝点1は持ち帰ろうと高い集中力を保ってくるだろう。
リーグ戦の対戦成績では浦和が4勝1分2敗と勝ち越すが、6月の第17節では浦和が横浜FCの3倍のシュートを放ちながらスコアレスドローに終わったのが気になる。
果たして、浦和がV戦線にとどまるのか、横浜FCが残留争いへ勝点を積み上げるのか。『明治安田J1』第29節・浦和×横浜FCは9月29日(金)・埼玉スタジアム2〇〇2にてキックオフ。チケット発売中。試合の模様はDAZNにて生中継。