ビジネスパーソンが仕事の上でもっともストレスを感じる要因は「給与・賞与(金銭面)」

チューリッヒ生命保険は9月28日に、全国のビジネスパーソン1000人を対象に実施した、ストレスに関する調査結果を発表した。同調査は、全国の20~59歳の有職者に対して8月21~22日の期間に行われている。

「仕事内容」「上司・部下以外の社内の人間関係」もストレス要因

調査対象者に、普段仕事をする上でもっともストレスを感じる要因を尋ねたところ、「給与・賞与(金銭面)」(20.1%)がもっとも多く、「仕事の内容」(17.4%)、「上司・部下以外の社内の人間関係」(14.0%)、「上司との関係」(12.5%)がそれに続いた。

過去3回分のトップ5を比較すると、回答があまり変わっていないことから、とりわけ経済面でのストレスが近年の悩みとして大きいことが明らかになっている。

5類移行でも「在宅勤務」は継続

勤務先で導入されている働き方の制度のうち、新型コロナの流行前より導入されていた制度、新型コロナの流行がきっかけで新たに導入された制度、新型コロナの法の上での分類が5類に引き下げ後(2023年5月以降)も継続されている制度について尋ねた質問(複数回答)では、流行前より導入されていた制度としては「時短勤務」(16.3%)、「フレックスタイム制」(15.5%)、「在宅勤務」(13.8%)が上位を占めた。

流行がきっかけで新たに導入された制度としては「在宅勤務」(22.7%)、「コロナ休暇・ワクチン接種休暇」(16.7%)が上位となっている。

また、5類への移行後も継続されている制度としては「在宅勤務」(25.8%)が最多となったほか、「コロナ休暇・ワクチン接種休暇」(9.9%)も一部の企業で継続されていることがわかった。

導入されてよかった制度1位は「在宅勤務」

勤務先に導入されている制度の中で、導入されていてよかったと思うものを尋ねたところ(複数回答)、「在宅勤務」(48.5%)が他を大きく引き離して最多となり、以下「コロナ休暇・ワクチン接種休暇」(20.8%)、「フレックスタイム制」(20.1%)、「時差出勤」(19.5%)が続いている。

一方で、勤務先に導入されている制度の中で、導入されていてストレスを感じる制度としては(複数回答)、「特にない」が7割超でもっとも多かったものの、「在宅勤務」を挙げる回答も8.4%みられた。

5類に引き下げられた後に、緩和されたストレスについて尋ねた質問(複数回答)では、「マスク着用が任意になった」(38.7%)が最多となり、以下「人と会う機会が増えた」(22.6%)、「接待や飲み会が復活した」(17.8%)、「出張や外出の制限がなくなった」(14.9%)、「消毒や換気などの手間がなくなった」(14.1%)が続いている。

5類に引き下げられた後に、ストレスに感じた内容を尋ねたところ、「電車など人混みが多くなった」(30.2%)がもっとも多く、「マスクをする人が少なくなった」(22.7%)、「感染症対策が任意となり、感染リスクを気にするようになった」(17.3%)がそれに続いた。

ストレスの発散方法のうち、流行前から行っていたストレス発散方法、流行後から始めたストレス発散方法、現在のストレス発散方法を尋ねた質問(複数回答)では、流行前から行っていたストレス発散方法としては「美味しい物を食べる」(38.4%)が最多となり、「睡眠・休息をとる」(38.3%)がそれに続いている。

現在のストレス発散方法は「睡眠・休息」

一方、現在のストレス発散方法では、「睡眠・休息をとる」(36.8%)がもっとも多かった。また、「旅行へ行く」「買い物をする」「飲み会に行く」「人に話を聞いてもらう」といった項目は、新型コロナ禍にともなう外出自粛などの影響で、大きく減少している。

そのほか、新型コロナの流行後から始めたストレス発散方法では、「身体を動かす」(8.4%)を挙げる回答がもっとも多かった。

新型コロナの流行がきっかけで新たに始めた趣味としては(複数回答)、「動画鑑賞」(13.7%)が最多となり、以下「クッキング系」(7.0%)、「散歩」(6.9%)、「ランニングなどスポーツ関連」(6.7%)がそれに続いている。

さまざまなストレスによって、精神面の不調や不安を感じることがあるかを尋ねたところ、「とても感じている」(12.5%)と「やや感じている」(29.9%)を合わせた割合が42.4%、「まったく感じていない」(10.0%)と「あまり感じていない」(15.6%)を合わせた割合が25.6%となった。

不調や不安の原因となるストレスとしては(複数回答)、「経済面の不安によるストレス」(43.2%)がもっとも多く、以下「職場での人間関係によるストレス」(42.7%)、「仕事の負担感によるストレス」(35.8%)が続いている。

「ウェルビーイング」の認知度は低い

「ウェルビーイング」という言葉を知っているかを尋ねた質問では、「内容まで詳しく知っている」(8.8%)と「ある程度内容を知っている」(14.0%)を合わせた割合は22.8%に留まり、「知らない」という回答が55.6%を占めた。

「ウェルビーイング」に関心があるかを尋ねたところ、「とても関心がある」(9.6%)と「やや関心がある」(24.0%)を合わせた割合が33.6%に達している。

「ウェルビーイング」に関連するさまざまな項目に対する考え方を尋ねた質問では、「身体的な健康状態は良好だと思う」については「とてもそう思う」(13.3%)と「ややそう思う」(34.1%)を合わせた割合が47.4%だった。また、「家族、友人、職場の人、近隣の人などと良好な人間関係が築けている」について「そう思う」と答えた人も41.6%を占めている。

一方で、「収入やお金の使い方など、経済的な面で満足できている」では40.7%の人が、「ボランティア活動、コミュニティー活動などを通じて有意義な人生を送れていると思う」では44.7%の人が、「そう思わない」と回答した。