大迫勇也(ヴィッセル神戸) (C)J.LEAGUE

会心の首位攻防戦から3週間、ヴィッセル神戸が国立競技場のピッチに立つ。『明治安田生命J1リーグ』第29節で神戸は横浜F・マリノスに2-0の完勝。2位・横浜FMに勝点4差、3位浦和レッズに8差を付けた。残り5試合と考えると、普通に戦えば初優勝に辿り着く計算である。しかも、神戸がリーグ戦のみに集中できるに対して、横浜FMは『AFCチャンピオンズリーグ』を戦い、浦和は『ACL』『JリーグYBCルヴァンカップ』決勝との強行軍である。さらに横浜FMはここ5試合で1勝1分3敗と足踏み状態に陥っている。

だが、この最終盤を普通に戦えるかと言うと容易ではない。これまでも何チームがタイトルのプレッシャーに押し潰されてきたことか。それまでの快進撃から一転、急失速したチームも散見される。2007年の浦和は残り5試合で勝点10差を守り切れず、2014年には残り3戦で勝点5差を逆転された。2013年の横浜FMも残り2試合で勝点5差をひっくり返されたのだった。

ここまでリーグ2位の得点と最少2位の失点、攻守で高いレベルを維持してきた神戸が失速するとは考えづらいが、このシーズン終盤は何が起こるかわからない。そういう意味でもリーグ再開となる『明治安田J1』第30節は大事なゲームとなる。相手は4位鹿島アントラーズである。神戸はGK前川黛也の負傷、左SB初瀬亮の出場停止も気になる。

勝点11を離されている鹿島は優勝どうこうはさておき、神戸に借りを返さなければならない。第8節・カシマサッカースタジアムで味わわされた1-5の屈辱を忘れてはいない。リーグ戦3連敗中の鹿島は大幅にメンバーを入れ替えて神戸戦に臨んだが、大迫勇也の2ゴールに武藤嘉紀の2発などで1-5の大敗。試合後、一矢報いる1得点をマークした鈴木優磨がサポーターの批判の矢面に立ち、涙ながらに巻き返しを誓ったのであった。その後鹿島は5連勝、紆余曲折がありながらも4位まで順位を上げてきた。

果たして神戸がこのまま初優勝へ突っ走るのか、それとも鹿島が借りを返すのか。『明治安田J1』第30節・神戸×鹿島は10月21日(土)・国立競技場にてキックオフ。当日は神戸史上初となるホームゲームとしての国立開催を記念し、クリムゾンレッドカラーの「記念ユニフォームTシャツ」を先着4万名にプレゼント。試合の模様はDAZN、NHK総合にて生中継。