1週間ごとに週タイトルがついたのは『ふたりっ子』から

『ひまわり』の次の作品が、大石静が脚本を書いた『ふたりっ子』。この作品から基本的には1週間で1エピソードというパターンが定着して、週タイトルがつく作品も多くなった。

そんな中、軽くひねった週タイトルとしては、全部ひらがな押しというのがあった。2005年度前半の『ファイト』や、2012年度後半の『純と愛』がそうだ。

本仮屋ユイカがヒロインを務めた『ファイト』は、ヒロインが家族の再生を夢見ながら牧場経営を目指す話だったので、サイゴウジョンコという競走馬も重要な役どころだった。そのため「さらばジョンコ」というカタカナが入った週タイトルもひとつだけあったが、あとは「しあわせ」「ただしいこと」「あいたい」「まなざし」などのシンプルな言葉のひらがなで統一されていた。

 

驚異的な視聴率を記録した『家政婦のミタ』のあと、その遊川和彦が脚本を担当したことで話題になった『純と愛』は、まぎれもなくすべてがひらがなのタイトル。

作中に絵本がアイテムとして登場していたせいか、「らぶすとーりー」「はっぴーうえでぃんぐ」「すーぱーまん」「さいしゅうけっせん」「きせきのくりすます」など、無理矢理ひらがなにしたようなタイトルもあった。

 

また、週タイトルをすべて曲名で統一した作品もあった。『ふたりっ子』で双子のヒロインの子供時代を演じた三倉茉奈と三倉佳奈が、再びヒロインを演じた2008年度後半の『だんだん』がそうだ。

この作品は、別々の場所で育った双子のヒロインが歌手としてデビューし、やがてそれぞれの道を歩んでいくという話だったので、劇中でも多くの歌が歌われていた。そのため、週タイトルも内容に合わせて実在の曲名が使われた。

「赤いスイートピー」から始まり、「時の過ぎゆくままに」「恋のバカンス」「空も飛べるはず」「上を向いて歩こう」「これが私の生きる道」「愛は勝つ」などの曲名が、そのまま週タイトルになっていた。

 

2011年度後半の『カーネーション』は、その花の名前のタイトルになぞらえて、週タイトルはすべて花言葉で統一されていた。

第1週はひまわりの花言葉で「あこがれ」、第6週はコスモスの花言葉で「乙女の真心」、第12週はアネモネの花言葉で「薄れゆく希望」といった感じだ。

最終週はもちろんカーネーションの花言葉で「あなたの愛は生きています」。ファッションデザイナーのコシノ三姉妹を育てた母親、小篠綾子さんの生涯を描いた作品だったので、母親へ贈るカーネーションからふくらませた花言葉の週タイトルは、なかなかオシャレだった。