2.エントリーシートを奪い取る男編
通常、面接会場で、面接する側に置かれている書類は、面接官が使うものなので、応募者側が手にすることはありません。しかし中には緊張のあまり、その常識を破ってくれる猛者も……。
学生3(男1女2)対面接官2のグループ面接。定型といわれる。質疑応答型の面接でした。このタイプの面接をすると、かならずマニュアル回答をしてくる人がでてきてしまうのです。今回は男性のBくんが、そうでした。
面「では自己PRを、Bさんお願いします」
B「履歴書に書きました通り、~です」
はあ、ここまで学生のレベルが低いと、面接する側もいやになってきます。しかしグループ面接では他の学生さんに迷惑を掛けられないので淡々と面接は続きます。
面「それではBさん、エントリーシートに書かれた○○について、詳しく志望動機と交えて説明してください」
B「えっ、そんなこと……かき……かきききききき、書きましたっけ」
突如としてBさんが立ち上がり、こちらに向かってくるではありませんか。
B「ああ、これはですね……えっと」
面「Bさん。退場してください」
B「えっ?」
面「ここにある資料は、面接側だけの資料です。まずそれを見に来るのがルール違反。そしてご自身で書いたことも忘れるようでは、採用できませんので退場してください」
あわれ、Bさんは社員数名に連れられ退場することに。一番安心した顔をしたのは、同席した女子学生2名だったことも見逃しませんでした。
3.メールがポロリン「キタァー」女編
説明会や面接会場で、何度言っても守られないのが携帯電話・スマートフォンのマナーモードの徹底です。説明中に「半沢直樹」が鳴ったり、「あまちゃん」が騒ぎ出すのに今年も苦しめられました。説明会ならともかく面接途中にメールが着信すると、誰かがすぐにわかるため、ばつの悪いことこの上ない状態になります。
ある個人面接でも、Cさんのメールの着信音が響きました。しかも異様に長い。
面「着信音。消してください。」
C「す……すみません……。え?? キタァー!!!!!」
画面を見るやいなや、雄叫びをあげるCさん。
面「?????」
C「すみません。第一志望から内定みたいなので、面接終わりにします!」
面接側がポカンと口をあけて、去って行くCさんを尻目に……。
面「あの子を採用する会社……かわいそうだね」