2021年1月の販売台数を「100.0」とした指数を算出したところ、23年10月時点で薄型テレビ市場の規模が3分の2ほどに縮小していることが家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」により明らかとなった。また、販売台数の前年同月比は31か月連続でマイナスとなっており、深刻な状況だ。

薄型テレビ市場における21年1月の販売台数を「100.0」とした指数によると、右肩下がりで推移している。同市場の需要期は3月、7月、12月と年に3回存在する。それぞれの需要期ごとにどのような動きをしているか、みていく。まず、年度末の3月の指数において、21年3月は108.4、22年は105.2、23年は85.5と推移しており、23年に入って一気に落ち込んだ。次に夏のボーナスシーズンにあたる7月は、21年が101.5、22年が88.0、23年が84.5だった。また、一年の最需要期にあたる年末商戦の12月は、21年に111.9、22年に104.2と微減。23年の3月と7月の動向を考慮すると、23年の年末に指数が大きく跳ね上がるということは難しいだろう。

先日、家電量販店の薄型テレビ売り場を訪れたところ、60インチ以上の大型のテレビをメインに展示しており、画面の綺麗さと大きさに圧倒された。現状、40型以上のラインアップが厚く、60型以上になるとminiLED搭載の液晶テレビや有機ELテレビがメインになり、大型化の進行と同時に高単価へのシフトが鮮明だ。しかし、機種別のランキングでは、上位10機種中5機種を32型の製品が占めており、需要と供給が合致していないのではないかと考えさせられる。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。