日本とインドネシアによる初の合作映画『KILLERS/キラーズ』の公開を前に24日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で特別試写会が行われ、上映後に主演の北村一輝、共演する高梨臨、“モー・ブラザーズ”名義でメガホンを執る監督コンビのうち、現在来日中のティモ・ジャヤントが出席した。
女性を残忍な手口で殺害し、その一部始終を動画投稿サイトに公開する男・野村(北村)と、その映像を観たことから、自らも殺しにとりつかれるジャカルタ在住のジャーナリストが、ときにライバル、ときに同志として殺人を繰り返すというバイオレンススリラー。『ザ・レイド』のギャレス・エヴァンスが製作総指揮を務める。
冒頭「I’m not Killer.(私は殺人犯ではありません)」とあいさつし、外国人記者の笑いをさそった北村は、「脚本を理解するのが難しく、この映画に参加することの影響も考えた」と述懐。それでも「海外の監督から演出を受けるのは、刺激的だった」といい、「とにかく現場のスタッフが若い。日本に比べると3倍のスピードがあり、自由な発想で『面白いものを撮る』という結果を第一にしていた」とジャカルタでの撮影を語った。
牛山拓二とともに脚本も手掛けたジャヤント監督は「執筆の時期が、子どもの誕生と重なり、自分を取り巻く環境に敏感になっていた。ニュースに流れるのは、悲劇や惨事ばかり…。暴力に頼っている人間の心理を探求したかった」と凄惨なドラマに秘めたメッセージ性を強調。劇中に織り込まれるブラックユーモアについては「かなり暗い物語なので、緊張感の“はけ口”として笑いを注入する必要性を感じた。あくまで無意識ですが」と説明していた。
紅一点の高梨は「日本とインドネシアの初のコラボレーションに参加できて、嬉しい。バイオレンスの中にも、エンターテインメント性を感じた」と本作出演に喜びのコメントだった。
『KILLERS/キラーズ』
2月1日(土)よりテアトル新宿ほか全国公開