HDDベア TB単価・平均容量推移

HDDベア市場における2020年10月以降の1TBあたりの単価(TB単価)を算出した。3年に亘り2千円台前半で推移していることに変わりはない。しかし、23年4月から6か月でTB単価は20%程上昇していることが家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」により明らかとなった。このTB単価上昇により大容量化のスピードが鈍った。

HDDベア市場のTB単価を算出したところ、この3年間は2千円台前半で推移している。詳細にみると、20年10月は2160円だったが、21年6月には2370円まで上昇、その後7か月かけて2020円まで下落した。再び22年10月に2290円まで上昇するといった上下動を繰り返している。23年4月の2000円から上昇し続け、10月には2430円に達し20%程上昇、直近3年間で最も高い水準となった。

こうしたTB単価の動きに対し、平均容量はビビッドに反応する。例えば、21年5月の平均容量は6.16TBにまで達したが、翌6月にTB単価が2370円まで上昇すると、平均容量は4.92TBまで急降下するといった具合だ。その後、TB単価は下落基調に入ったため、じわじわと大容量化が進行。22年7月に6TBを超えた後、23年6月に6.57TBまで達したが、8月以降はTB単価の上昇により大容量化が停滞気味だ。

現在、デスクトップPCでもSSDのみ搭載の比率が8割を超えるまでになっている。HDDベアの販売は緩やかに右肩下がりで推移しているものの、根強い需要が今でも存在する。SSDと比べて安価であることから、大容量データの保存やバックアップ用途としての需要が今後も続くと考えられる。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。