本来のサンマーメンは、モヤシもトロミもない「まかない食」だった

張会長
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サンマーメンTシャツで対応してくださった張会長は、一枚の紙に「生碼麺」と「生馬麺」を書いて、こんな説明をしてくれました。

「碼」はもともと波止場の意味。だから昔の「生碼麺」は、港町で良く食べられていたラーメンの総称との事。具は白菜が中心で、新米のコックが細切りの練習をするのを兼ねた賄い食だったのだそうです。

なるほど、だから野菜の細切りが具のメインになっているんですね。

しかし意外な事に、この段階ではモヤシもトロミもなかったのだとか。
では、どうして今の形になったのでしょう。

張 「戦後になると、物資難の中で満腹感を得たかったから広東麺の餡を応用したんだな。デンプンは腹持ちがいいし、調味料をそんなに使わない薄味でも麺に絡んで濃く感じる。」

そうか、アッサリ薄味とトロミには、そういう関係があったんだ。
 

張 「モヤシは、中華街の市場通りにモヤシ工場があったので、入手が割と楽だった事が関係してるんじゃないか。」

そんな事もあり、今では上に乗せるという意味の「馬」を使う「生馬麺」に変化していったそうです。

すると「聘珍樓が発祥」って話はどうなるのでしょうか。

張 「お客に提供した(メニューに登場した)という意味で、サンマーメンの発祥なんでしょう。それは間違いないと思うよ。それまでは賄いだったからね」

お店によって色々なバリエーションがあるのですが、コレといった定義はあるんでしょうか。
 

張 「難しいネ、お客の好みだったり、店主のこだわりで決めていたりするのが実情だからね。サンマー麺の会でも味については決めてないんだ。具にしても、5種類以上使うって決めているだけで、中身は各店に任せてる」

う~ん、会長がそう言うんじゃ、しょうがないですね。

そんな中、「かながわサンマー麺の会」が監修したカップ麺をお土産にいただきました。

 

奇抜さや斬新さを求める風潮に一石を投じるサンマーメン

「サンマーメンって何?」との答え。

あえてまとめるなら、「誰もが親しめる、野菜が中心でトロミのある体にやさしいラーメン」といったところでしょうか。

さて、この記事をみてサンマーメンに興味をもった方がいらっしゃると思います。
横浜のラーメンといえば家系がよく取り上げられますが、家系だけがラーメンじゃない。

この機会にサンマーメンを食べたことがない人は一度食べてみてはいかがでしょうか。
お店によって味や具材のバリエーションが違うので、いろいろ食べ歩いてみるのもいいかもしれません。

そして、美味しいサンマーメンを提供してくれるお店を発見したら、こっそりはまれぽ編集部までご連絡下さいね。
 

 

 
※本記事は2011年2月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。

 
 

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