「お金遣いが荒く自分の趣味にばかり収入をつぎ込んでは家族をないがしろにする夫とは、とうの昔に愛情は消え仮面夫婦状態でした。
それでも、子どもたちがわずかでも父親を大事にする姿を見れば離婚の選択はこの子たちを悲しませるのではと思い、耐えていました。
お互いに共働きで年収は同じくらい、でも生活費などはほとんど私の財布から出している状態でろくに貯蓄もできず、夫と違い自分が身につける下着の一枚でも値段を気にする生活に、何度も『惨めだな』と思いましたね。
仮面夫婦でも子どもたちの前では何とか会話があり、形だけの夫婦でも続けてはいますが、老後のことなど考えると暗い気持ちになります。
私の収入でもふたりの子どもを育てるのは可能で、シングルマザーの制度なども調べたらどうにか生活はできます。
でも、夫が家に入れるわずかなお金でもやはり助かっているのは確かで、子どもたちの教育費など今後かさむ一方になることを想像すると、離婚してシングルマザーになるより仮面夫婦を続けるのがこの子たちのため、と最後は思うのですよね。
好き放題にお金を使い、それに文句を言うと不機嫌全開で家族に当たり散らす夫のことはどうでもいいけれど、子どもたちに生活で苦労はさせたくないと思いました。
そう納得して仮面夫婦を続けていますが、私の苦労などまったく考えず楽しそうに家のなかで過ごす夫を見ると、毎日怒りが止まらずストレスが大きいです。
『誰のおかげで気楽な生活ができているのよ』と怒鳴りつけたい衝動もあって、モヤモヤを発散させるために不要な買い物に走るときもあり、ダメだなとまた落ち込みます。
こんな自分が嫌いで仕方なく、仮面夫婦はやっぱりいい状態ではないのだなとしみじみ思いますが、私と似たような境遇の人はどう過ごしているのか、すごく気になりますね……」(38歳/セールス)
こちらの女性は、仮面夫婦を続けることに「後悔はないけれど、離婚の決断ができない自分が嫌になる」とご自身を責めていました。
自分が耐えていれば家庭は何とかなる、と思うほどに、そんな不毛な忍耐を受け入れる反発もまた生まれます。
ストレスが膨らめば散財に走ることもあり、いい精神状態とはいえないですよね。
離婚の決断は自分だけでなく子どもたちも巻き込む、とわかっていても、夫の犠牲になり続ける自分の在り方が正解なのかどうか、考える必要があります。