和にこだわった、あっさり滋味深い「味のほうさく」
次に向かったのは、同じく横浜市営地下鉄ブルーライン蒔田駅より徒歩3分ほどにある「味のほうさく」。どこかホッとするような外観だ。
一見、外観は街のどこにでもあるようなラーメン店に見えるが、店内にはいるとその広さと建物の高さに驚く。店内は木のテーブルとイスが並べられ、これらはすべて同店の手作りなのだそうだ。
話を伺ったのは女将の若松八重子さん。同店が誕生したのは今から13年前の2001(平成13)年のこと。店主は諸事情のため、現在は店に出ていないそうだ。
店主の実家は中華料理店を運営していたそうだが、以前から和食をやってみたかったという思いで、日本全国の武者修行の旅に出る。その後、うなぎ・とんかつ「若松」として和食店を経営していたが、実家で提供していた昔ながらのラーメンをもう一度やってみたかったため、ラーメンを復活させたそうだ。
店名は店主、女将、息子さんの家族3人で考案されたとのこと。豊作になるようにとの願いを込めるとともに、“味の”と付けることにより、和を意識したという。
同店の食材はすべて和風にこだわっているとのこと。ラーメンのスープの素材として鶏ガラ、豚の背ガラをベースとし、サバ、カツオ(厚削りと花ガツオ)、昆布、シイタケ、6種類の野菜を使用。
特別なことは意識していないとのことだが、これだけの質で500円でラーメンを食べることができるのはとても嬉しい。
麺は布施製麺の中細ちぢれ麺を使用。しょう油ダレはしょう油をブレンドし、野菜を濾したカエシを使っているのだとか。これは和食の手法らしく、そこには和にこだわる同店の気概がうかがえる。
そんな同店のオススメは、以前、日本テレビで放送していた「どっちの料理ショー」でも取り上げられたことがあるという、しおワンタンラーメン(650円)。
まずは一口スープをすする。スッキリしたしお味の中に、キリリとした一本の輪郭ある深い味わい。前述でも述べたとおり、丁寧にとったダシが味の決め手なのだそう。
ラーメン自体へのこだわりもさることながら、このワンタンにもこだわりが垣間見える。
大きめに作られたワンタンは特注の皮を使用しており、肉厚の皮はもちもち、ぷるぷるした食感で口の中で踊るようだ。
今は諸事情で店頭に出られないご主人いわく、「自分が生きている間は(ラーメンを)500円でやっていく」とのこと。味にこだわり、食べてくれる人のために手間暇惜しまず、職人としてのこだわりを追求するその味は、見事の一言に尽きる一杯だった。
取材を終えて
今回は「流星軒」「味のほうさく」の2店舗を紹介したが、横浜市内では神奈川淡麗系ラーメンを扱う店舗はまだまだ存在する。皆さんが好きな淡麗系ラーメン店があればぜひご連絡いただきたい。
●流星軒
住所/横浜市南区日枝町4-97-2
電話/045-241-1238
営業時間/11:30~14:30、18:00~21:30ごろ(※スープ終了時閉店)
定休日/水曜日
●味のほうさく
住所/横浜市南区通町2?25?1
電話/045-713-4529
営業時間/11:30~14:30、17:30~24:00
定休日/木曜日
※現在は諸事情により14:30までの営業となります
<取材協力>
神奈川のラーメンを盛り上げよう!会
https://kanagawa-ramen.net/
マーコの辛口ラーメンチェック
https://ma-ko64.com/
※本記事は2014年2月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。
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