お墓参りは、尊敬する人への「お礼参り」
「お墓参りをすると、故人と対面したような、時を超えて気持ちが同化したような思いになるんです。<本当にこの人はあの時代に生きていたんだ! 私も私の人生をしっかりと歩んで行こう>という思いになります」
確かに我々も祖先の墓、肉親の墓を墓参りする際に、つい尊敬の念で語りかけてしまう。それが歴史上の偉人となれば、なおのことかと思う。
「『墓マイラー』をしていると、その人の功績や作品を身近に感じることができる。墓参りは自らの尊敬する人に対するお礼参りなのです」
あの『半沢直樹』の金融庁調査官役で一躍有名となった片岡愛之助さんも、両親の墓参りが趣味で週2回は欠かさないという。『墓マイラー』であってもそうでなくても、お墓とは尊敬すべき人が眠る大切な場所なのだと考えて、真摯に参拝することが望ましい。
"あの文豪"のお墓は、「安楽椅子」の形をしていた!?
墓石の形や場所にも注目したい。
「墓石は基本的に石でできていますが、お墓を巡っていると、大きさ、形、色が様々にあることに気づかされます。例えば、夏目漱石のお墓は安楽椅子の形をした大きくて堂々としたもので、芥川龍之介の墓はお気に入りだった座布団と同じ大きさなんですよ。また岡本太郎さんの墓は、彼の作品の形をしています」
このように墓石の形ひとつとって見ても、墓石は何も語らないが、故人の生前の姿が偲ばれる。お墓には故人を偲ぶ遺族の気持ちもこめられているのだ。
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